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II-2海洋楕遣物に関する調査

1.Norwegian Contractors 1)2)3)

到着後の初調査として、Norwegian Contractors社のStavanger Yardを訪問した。当日は残念ながらヤードで建造中の構造物はなかったが、同社の業容などについて説明を受け、熱心な議論を交すことができた。また、同杜とつながりの深いStatoil杜からも2名が参加し、われわれとの質疑応答に加わった。

 

(1)調査日時および面会者
調査日時:1996年9月5日9:30〜12:00
面会者:Mr.FinnRosendahl:Norwegian Contractors社の情報担当
Dr.EinarGauselおよびDr.0veT.Gudmestad:Statoil社のSpecial Advisor

 

(2)概要
Norwegian Contractors社はAkerグループに属するが、Akerグループは、約20〜30%がScancenにおけるセメントの生産、残り大半が海洋構造物を中心とした建設事業である。北海油田で建設された数多くの海洋構造物のうち、約6割が同社によるものである。同社はコンクリート構造物が主体であるが、メキシコ湾に設置されたプラットフォーム「Bullwinkle」の鋼製ジャケットもてがけた、という説明があった。また、現在国際的展開を図っている最中で、日本の造船会社からの受注案件もこなしている。
図-2.2.1に、同社の手がけた海洋構造物の一覧を示す。コンディープと呼ばれるコンクイリート製プラットフォームが多い。
われわれの訪間したStavanger Yardは、最盛期は4000人(平均2000人)の職員が作業に従事するが、訪問時はプロジェクト終了につきほとんど作業員の姿は見られなかった。

 

(3)北海油田
同社の最大の顧客は、北海油田の開発関係である。北海油田の開発は、1950年代にオランダ沖で始まり、当初はガスの産出がほとんどであった。現在では、ノルウェー側の油田も開発され、石油・ガスを生産中である。現在までにこの油田の開発に累計約18兆円が投資されている。(おそらく、ロシア側でも、探せば海底油田が存在するはずとのことである。)
現在までに、北海の海底油田フィールドは、次第に北方の水深の深いところに移ってきており、石油生産用の海洋構造物にとっては条件が次第に厳しくなってきている。また、かつては、ガス産出が少量であれば燃焼させる事によって廃棄していたが、近年では、環境に対する配慮と言う観点もあり、少量でも回収し売却しているということであった。

 

(4)海底油田用プラットフォーム
プラットフォームは、P-Q-D(Process-LivingQuarter-Drilling)の3基(3つの機能)で1セットとする事が多い。条件によってはこれら3つの機能(精製・居住・掘削)をまとめて1基のプラットフォーム上の設置することもある。

 

 

 

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