日本財団 図書館


4.Nordhordland(Salhus)橋

(1)慨要
Salhus橋は別名北ホルドランド橋(Nordhordlandbrua)とも呼ばれていて、ノルウェーの西部Salhusフィヨルドを横断する浮体橋梁である。図-2.1.5はその位置を示す。橋梁はKlauvanesetとFlatoyの間に架設された。現在は、SteinestoとKnarvikの間がフェリーで結ばれているが、この地域における交通量の増加とアクセス時間の短縮を計るために架橋計画が提案された。完成後はフェリーは廃止される。1962年、この地域のコンサルタントが提案した計画が最初のものであるが、1975年より公共道路局において本格的な調査が開始された。
橋梁の全長は1,615mであるが、Klauvaneset側の369mは斜張橋であり、橋梁の桁下には高さ32m、幅50mの船舶航行用のクリアランスが確保されている。浮体橋梁部は1,246mである。浮体橋梁部のアーチ半径は1,700mであり、ポンツーンは10基で、133.5m間隔で配置されている。
橋梁の建設は1991年8月から開始され、1994年9月に完成した。

 

023-1.gif

 

(2)構造様式の選定の経緯
この海域はフィヨルド地形であり、最深部では水深500mに達すること、および7,000dwt舳tを最大とする2000〜3000dwtの船舶の航行を確保する必要があることから斜張橋と浮体橘梁が併用される形となった(第1案)。1988年4月より最初の案の設計が行なわれたが、現地でBlack Waterと呼んでいる海水と真水の濃度差によるダム効果による環境問題から円筒形のポンツーンにより上部工を支持する案(第2案)が提案された。この設計には6か月を要したが、トラス部材の疲労強度による制約があったため技術的、経済的に実施することが困難であった。そこで、第2案の分離浮体型のポンツーン方式を採用し、かつ上部工を鋼製の箱桁とするもの(第3案)、およびコンクリート製の箱桁とするもの(第4案)が提案された。両者の検討の結果、鋼桁の方が経済的であったので最終案として採用した。

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION