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I.海外現地調査報告編

 

II-1 浮休橋梁に関する調査

 

1.概要

1996年9月5日午前8:30から11:45まで、DNV(Det Norske Veritas)においてノルウェー王国公共道路庁橋梁局フローティングブリッジ総括マネージャーJohn H.Gustavsen氏、DNVのSolensen、Landet氏他を訪問した。日本側からは今回の調査の目的および日本の浮体構造物の現況を説明した。また、ノルウェー側からはBergsoysoundおよびNordhordland(旧名称:Sulfus)の両浮体橋の建設技術に関して説明があった。
1996年9月6日午前9:00から12:00まで、ノルウェー公共道路庁のベルゲン地区工事事務所を訪問し、Nordhordland(Sulhus)橋の建設について説明を受け、現地において同浮体橋梁を見学した。
2.浮休橋梁の開発経緯

ノルウェー王国の西海岸は数多くのフィヨルドおよび点在する島しょうがあって、その間の交通は、これまで主としてフェリーによって行なわていた。しかしながら、臨海部の交通需要の増大に対応し効率化を図るため、近年これを横断する橋梁およびトンネルの建設が進められている。この考えのもとに建設されたのが、Kristiansund地区のBergsoysund橋およびBergen地区のNordhordland橋(Sulhus橋)である。
Bersoysund橋はKristiansundとFreiを本土に直結させるKRIFAST計画の橋梁およびトンネルの中の橋梁の一つである。すなわち、HogsetとHamna,BergsoyaとFlatsetoya,BergeとSkjevlingvagenの3箇所をそれぞれ、吊橋、トンネルおよび浮体橋梁で結ぶものである。Bergsoysund橋(写真-2.1.1)はBergsoya島のBergeとAspoya島のSkjevlinvagenとを結ぶ。この海峡は幅が800mであるが、中央部分の最大水深が300mを超えて、しかも急傾斜であるので、例えば吊橋を建設するとしても橋脚を岸側に近いところに設置せざるを得なくなり、中央径間が相当大きくなるために、経済的にかなり困難であった。そこで、代替案として浮体式橋梁が提案された。浮体橋梁は1990年9月に建設が着手され、1992年7月に供用が開始された。

 

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