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"ワン・デイ・セミナー・イン・ジャカルタ"

インドネシア

結核予防セミナー開催

平成8年12月12日/ジャカルタ

 

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アジア各国で結核対策を推進する人材の底辺を広げるためのセミナーが、結核予防会の主催で昨年12月12日、インドネシア連邦ジャカルタ市において開催されました。講師として、島尾会長、結核研究所和田臨床学研究科長、スピナッチ医師(WHO)、リサ医師(IUATLD-国際結核肺疾患予防連合)が現地に赴きました。

 

●結核対策により多くの分野の人の参加を●

 

当地では2回目となるこのセミナーですが、「結核対策は直接結核に携わっている人だけが行っていてはだめだ」ということで、今回は医師以外も招き、その中には世界銀行からの出席者もありました。総数76名。またこの中には14名もの結核研究所の国際研修卒業生が参加していました。

スピナッチ医師の講義ではWHOが進めているDOTS-直接監視下短期化学療法の説明がされ、これによって中国では90パーセントの治療率をあげていることなどが紹介されました。現在ではまだ世界人口の23パ‐セントしかDOTSを受けることができない状況なので、WHOは今後もDOTSを普及していくための努力を続けていくということです。島尾会長監修によるDOTS普及用のビデオも上映されました。これは、多剤耐性結核やDOTSなどをアニメーションでわかりやすく説明したものですが、参加者から「識字率の低い地域ではこういった教材がふさわしい」という感想がありました。

質疑応答ではBCGの効果や開業医への啓蒙についてなど様々な質問があり、参加者の熱心さがうかがえました。

 

●おわりに●

 

インドネシア全27州は1万3千以上もの島々からなり、東西の距離は5千キロ(これはアメリカ大陸より長いそうです)にもなるそうです。このような広大な国で結核対策を行っていくには、リーダーとなる政府機関と各地域の医師や施設、そしてNGOとの連携がますます重要となっていますが、その強化には苦慮しているようです。私は改めて、結核予防会の支部や婦人会という地域レベルの強い連携はもっと評価されるべきであり、だからこそより改善していかなければならないのではないかと感じました。

最後に本セミナーを後援いただいた財団法人日本船舶振興会に謝意を表します。

本部普及課 久末雅子

 

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参加者の皆さんと

 

 

 

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