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酸素欠乏空気による事故

高山病 高山2300m以上の気圧が低いところで発生する
原因/標高2300m以上の高山や、車や熱気球などで急激に高度を上げると発生の危険がある。気圧が低くなり、酸素が少なくなるので、体内の酸素が不足して、動悸、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、呼吸困難などが起こる。
一般的手当
1.安静にして、体が使う酸素量を減らし、体が慣れるのを待つ。
2.ビニールの袋などを口にあて、袋の中にゆっくり息を吐き、再びゆっくりその袋の中の空気を吸う、これを数回繰り返してみる。回復がなければ、2300m以下の高度まで下山させる。
3.酸素があれば、マスクを顔に当て、1分間6〜8リットル流量で酸素を吸入させる。ただし山小屋やテント内などの火気のそばで酸素を用いてはならない。
事故予防
1.富士山や日本アルプスなどの高山に登る時は、ゆっくりと、時間をかけて高度順化をしながら登る。
2.高山では呼吸数が増加することなどから体内の水分が失われやすくなるが、この脱水状態も高山病の一因となるので、水分は意識的に多めにとるようにするとよい。
3.酸素欠乏による事故は、初めは呼吸運動ができるので、本人は苦しさがあまり分からないうちに脳の酸素欠乏によって、体の自由と判断力が低下し、ついに意識がなくなってたおれる。普段と違った言動や常識を欠くような行動が見られた場合には、本人に変わって判断し、早く一般的手当を行なってやることが大切である。
酸欠病
原因
1.酸素が消費されて少なくなったところ。
1)空気の流れの悪いところで物が燃えるとき(同時に有毒ガスが発生している可能性がある)
2)新しく掘った地下の穴で、初めて空気に触れた土壌の成分がどんどん酸素と結合する時。
3)農業用サイロ、貯液槽、下水道などで、発酵や細菌増殖がさかんに起こっている時。
2.他のガスで薄められて空気中の酸素が少なくなる場合。
1)船倉やタンク内に異常ガスがたまっている時。
2)地下を掘っていて、酸素を欠いた地中ガスを掘り当てた時。
救助処置
1.自分が息を止めている間に、再び外に出てこられる距離、時間以上の救出作業をしようとする時は、現場の換気状態が改善されているか確認する。いきなり救助にはいると、救助者自身が事故に遭う恐れがある。
2.命綱をつけて、第三者に見ていてもらうなど、まず自分自身の安全を確保して置く。
3.引火生のガスの存在が疑われるところでは、火気をさけ、電気の点滅をしてはならない。
4.換気状態が改善されていないところに入るには、空気呼吸器、新しい空気を供給できる送風管などを準備しなければならない。
手当/初期の評価-意識の喚起-気道-呼吸-循環-出血-ショックの管理
1.空気の流通の悪いところにいる事故者は、新鮮な空気中に運びだし、必要があれば、蘇生法を実施する。

 

 

 

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