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「情報化」の主体となり、対象となりうる。すなわち、誰もが同じ条件で、「情報化」のメリットを享受できる時代を迎えている。
?米国における情報化
CALS,EC,EDIなどが進む米国では、97年度を目標に全ての行政文書の電子化が進められており、既に、全省庁のあらゆる調達はインターネット上で公開されている(COMMERCEBUSINESSDAILYhttp://cbd.savvy.com/)。ちなみに、事前登録すれば、情報検索はもちろんのこと、入札参加も無料で、国籍や企業規模に関係なく、誰でも応札することができる。
同時に、米国政府は、中小企業のECへの参入を支援するための団体EIectronicCo?erceResourceCenterを設立し、全米11ヶ所に事務所を設置、年間11億円の政府援助を提供している。「情報ハイウェイ構想」の例をみるまでもなく、米国における「情報化」とは、国策そのものである。

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?脅威か、ビジネスチャンスか
現在の「情報化」とは、単に情報産業における主導権争いだけでなく、国家レベルでの政治・経済力の競争という側面を持ち、先進各国では国際競争力を持つリーディングインダストリーの育成に躍起になっている。
このような国家間競争を背景とする今日の「情報化」は、確実に、かつ急速に進展することは明らかである。誰もがネットワークに接続でき、マスコミのように情報を発信することも、あるいは、等しい条件下で最新の企業情報や製品情報を入手することも、可能になりつつある。このような「情報化」社会の入り口に立ち、これを新たなビジネスチャンスと捉えるか、あるいは、克服できない新たな脅威と捉えるかで、今後の企業のあり方は大きく変わってしまうだろう。
(2)中小企業における情報化の現状
?情報機器の導入状況
ここでは、中小企業を対象とした情報化実態調査の結果と、日造協会員企業の情報化の実態とを比較してみる。しかし、公的機関をはじめとする多くの調査は、中小企業庁の定義による企業を対象としているために、業種・企業規模ともにあまりに多様で、一括りにして語るには無理な面も多い。また、今回の日造協調査とは質問項目も異なるために、単純な比較もできないので、あくまで、一般的な国内中小企業の現状をみるための目安として考えたい。
さて、日造協調査ではコンピュータの業務活用比率は68.5%である。やや古くなるが、(財)全国中小企業情報化促進センターの『中小企業情報化実態調査』によれば、企業規模の大きさに比例し導入比率も高まる傾向にあり、20人以上の企業における導入比率は8割超である。また、商工中金の『中小企業経営動向調査』や通産省の『平成6年度情報処理実態調査』をみると、中小企業における情報機器の中心はパソコンであり、1社当たりコンピュータ設置台数5.1台と、大企業に比較すると、依然として大きな格差が存在する。

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