
直接綱元操作の事例ではありませんが、美術バトンに照明器材を吊こみ使用しました。(美術バトンは電動、バランス調整のためにカウンターウエイト調整をした)
公演終了後使用した照明器具を取り外している途中でバトンが動き出してしまったらこの時、バトンの跳ね上がりを恐れて中央にロープを取り付け引っ張っていた者がこのまま上に引っ張られて途中に有った他の吊物にぶつかって下に落下して死亡したという事故です。この原因はロープを引っ張る際に普通はロープをそのまま引っ張るのですが、この時はロープを一回手に巻いて引っ張っていたためバトンが上がった時外す事ができずそのままバトンと一緒にその者も上がってしまったためです。
この事故に関しては、一概に言えないのですが、色々な問題が発生した事故です。最近ではサスバトンというのは電動が多くなってきていますが、美術バトンにも照明器具を吊ることが多くなってきています。
このような時は使う側と管理する側がよく打合わせをして事故のないようにすることが必要です。舞台での事故は仕込み時の事故よりも終了して撤去の時の事故が多いみたいです。
先程もいいましたが、綱元のロープも平台と同様に消耗品だと、思います。3年から5年でロープをチェックしロープが痛んでるようならば取り替えることが必要だと想います。会館によっては予算がないので、ロープも大事に使いたいという所が多いみたいです。
大事に使うのはいいのですが、ロープなどは完全にロックをしておかないとバトンが動いてしまいますし、かえって事故が起きてしまったほうが高く付くのではないでしょうか。これはロープだけでなくワイヤーも同じです。ササクレが起きたならばすぐに取り替えることが必要です。
ささくれが1本ぐらいできても大丈夫だ、港湾施設で使用しているワイヤーは、ささくれても赤くさび付いても使用しているではないかという意見もありますが、作業をしている人達は、上を見て作業していますが、舞台上では色々な方が安心して座るなり演技などをする所ですから一々上を見ながら公演したり、演技をすることはできません。絶対に落ちないということで運営をしなければなりませから、ワイヤーが1本でもささくれができたならば取り替える必要があります。
舞台上というのは色々な吊物が吊ってあります。いつも安全管理に気をつけて運営又は作業をする必要があると思います。照明や音響などは経験を積むことによってレベル上がっていきますけど安全管理というのは初めての人でもベテランの人もいつも初心に帰ってやらなければならないと思います。事故が起きてしまったらお終いです。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|