第1章 公務員制度の基本的枠組み
1 公務員の定義
公務員を明確に定義する憲法その他法令上の規定は存在しない。憲法は132条において、「公務員(Public Service)は、以下の職種から構成される 防衛職員 司法・法律職員 連邦一般職員 警察職員 鉄道職員 各州政府職員 教育職員」と規定するのみである。本報告の対象領域は、各州政府職員以外の職種全般であるが、後述する連邦人事委員会(Public Service Commission)の所掌範囲の関係で、特に連邦一般職員に焦点をあてた記述も多く含む。 なお、憲法の下には我が国の国家公務員法に相当するような、公務員に関する一般法は存在せず、後述する公務員庁(Public Service Department)の制定する一般規則(General Order)によって給与等勤務条件が定められている。 2 公務員の数
防衛職員及び警察職員を除く公務員の数(連邦政府職員の他、州政府職員、準政府機関(Statutory Authority)職員等を含む)については、1993年現在で、ポストベースで841,
833、実員べースで682,466人である。このうち連邦政府職員は全体の63.4%の43万2千人(実員べース、以下同じ)となっている。職種別にみると、補佐職グループが約60万を占め、残りのほとんどが管理職・専門職グループである。また、男女別をみると、男性が約65%を占める。さらに、総人口及び労働力人口に対する公務員の占める割合はそれぞれ3.58%、8.93%となっている(出典は「Towards Excellence 1994」マレーシア公務員庁編)。 3 新給与制度の導入と官職の整理統合
官職の分類は、1992年の新給与制度(New Remuneration System)の導入に伴い、従来の分類方法に比べ大幅に整理統合された。 新給与制度は、1991年から2000年までの開発戦略としての国家発展政策(National Development Policy)及び「WAWASAN2020」を受け、国家の発展のためのより効率的
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