第6章 給与
1 給与の原則・決定・改訂
(1)給与の原則 公務員の給与額は、国の発展に見合い、民間給与と均衡が取れ、職員の能力と責任に見合うものであることが原則になっている。一般的にポストのランクにより給与等級は決まるが、同一のランクのポストを占める職員でも、個人の能力や経験などにより、給与等級が異なることがある。 近年、行政職群、特に1幹部職員の給与等の勤務条件を改善し、シンガポールの経済成長に伴い、民間企業で高い報酬を得ている社員と同等の給与を支給し、優秀な人材を公務に引き付けようとしている。これら幹部職員の給与は他の職員に比較しても、大幅に上昇している。 (2)給与の改定 政府は下記に述べる全国給与評議会の給与勧告に従って給与を改定する。給与改訂には国会の承認を得る必要はない。ただし、給与の基本原則に関わるような大幅な改定を行うときには、白書の形で政府改定案が国会に諮られ、国会の承認を得なければならない場合がある。 ?@全国給与評議会(National Wages Council) ア 設立経緯 給与額が抑制できないほど上昇し、労働争議も多発する危険性が増してきたため、1972年に政府は、政府・雇用主・労働組合の三者構成からなる全国給与評議会を設立。 イ 委員構成 1992年度時点では、議長及び政府から4人、雇用主側から5人、労働組合から5人の計14人の委員により構成。政府委員としては、公務員局、貿易・産業省、労働省の各事務次官、経済開発委員会の議長が名を連ねている。雇用主を代表する委員として、シンガポールに進出している日本企業の経営者が委員になることも多い。 ウ 任務 シンガポールの経済成長率、民間企業の動向、物価上昇率などを考慮して、給与に関する勧告を示すこと。具体的には、 ・給与政策に関する一般的なガイドラインを示すこと
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