(2)国会
一院制。任期は5年。解散されたときは、解散後3ヶ月以内に総選挙実施。選挙権及び被選挙権ともに21歳以上のシンガポール市民であることが要件。選挙は秘密投票で、義務になっている。なお、立法権は大統領及び国会に属する。
1991年に選出された第8議会には81人の議員が選出され、うち、21人が小選挙区、60人が比例代表により選出。女性の国会議員は2人。比例代表ではマレーやインド系、その他少数民族の者が代表されるように配慮。また、この他に国会特別選出委員会(Special Select Committee of Parliament)の推薦により大統領が任命する6人(内、2名は女性)の任命議員がいる。任命議員は、公務に貢献した者や各界において活躍した者が任命される。
シンガポールが自治を認められて以来、一貫して人民行動党が国会議員の大多数を占め、1972年から1980年までは全議席、1991年の総選挙では4議席を除くすべての議席を同党が占めた。
(3)少数民族保護のための大統領審議会(Presidental Council for Minority Rights)
民族、宗教の点で少数者が不当に利益を害されないように、議会を通過した法案が署名のため大統領に回付される前に法案を審査する機関。
(4)司法
最高裁と下級裁判所からなる。
最高裁は高等裁判所と上訴裁判所からなる。高等裁判所はすべての民事、刑事事件の裁判権を有しており、死刑に相当する刑事事件は必ず高等裁判所が審理する。上訴裁判所は最終審を担う。最高裁の裁判官は首相の勧告に基づき大統領が任命する。最高裁の裁判官の数は最高裁長官を含め14人。
下級裁判所は地区裁判所、治安裁判所(Magistrates'Court)、少年裁判所、監察医務院(Coroner's Court)、小額事件審理所から構成される。地区裁判所、治安裁判所は民事、刑事の第一審を担う。
(5)行政府
行政権は大統領及び内閣に属する。大統領は国会議員の多数の信任を受けた国会議員を首相に任命し、また、首相の勧告に基づき国会議員の中から大臣を任命する。首相及び大臣が内閣を構成する。内閣は連帯して国会に責任を負う。
8 経済状況
1995年のGDPは、1186億2900万シンガポールドル(1シンガポールドル=約81円。1996年10月現在。以下、S$と表記する。)で、前年に比べて8.9%の伸びを示した。1995年の1人当たりのGDPは34,312S$で、1993年のIMFの調査によると、同国の1人当たりの
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