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ンセンサス実習はその合意形成のプロセスを体験し、場合によっては、自分の意見を修正することの大切さに気づくことを日的とします。
環境問題は人間活動が様々に絡み合って発生しており、意見の対立やジレンマが必ずあります。このような対立の中で、合意形成することが大切であること、しかし合意形成することの困難さを知り、それを乗り越えるためには何が重要なのかに気づくことができるでしよう。

4−3 方法

4−3−1 ランキング

ランキングとは、考え方やものの優先順位を決める活動です。これが一番大切で、たいして重要ではないと考えられるものはこれだというふうに、重要度を自己決定した後、グループ内で話し合ってグループ内の優先順位を決めます。この活動を行いますと、一人ひとりが全く異なる価値観を持っていることに気づきます。さらに、グループ内で優先順位を決定する過程で、合意形成の難しさや協力してものごとを決定するために必要な要素に気づくことができます。
ランキングの手法としては、一列に並べる方法や、ダイヤモンド型もしくはピラミッド型等(図3)のいろいろな方法が工夫できます。本資料では、第5章の「友だちいっぱい」がランキングを応用しています。

図3 ランキングの配列

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4−3−2 シミュレーション

シミュレーションとは、教育・トレーニング・実験等において、状況を模して行う「模擬実験」2)ということができます。ある事象の動きや機能を単純化したモデルにより、現実の現象の理解、予測を深めることが可能になります。
シミュレーションは、その形態によって「事例研究」、「ロールプレイ」、「ゲーム」、「コンピューター・シミュレーション」の4つに分けられます2)。
本資料では、ロールプレイは次に紹介することとし、ここでは「ゲーミング・シミュレーション」を取り上げます。食うものと食われるものとの関係を示す食物連鎖をシミュレートする「食物連鎖ゲーム」がこの例です。
本資料では、第5章の「みんなの池」、「だれが川を汚したの?」、「明日の世界(貿易ゲーム)」、「2020年の地球はどんなかな(宇宙船地球号)」がこれに当てはまります。

4−3−3 ロールプレイ

ロールプレイは、人間関係に関わる問題点を明らかにし、よりよい人間関係を再創造するためのトレーニング手法です。技術トレーニング、問題解決トレーニングのためのものや、自己理解、個人成長、人間関係のあり方などに焦点をあてたものがあります10)。
さまざまな立場とそれぞれの考え方があることを理解するために、参加者が自分の役割とその場の状況を、与えられた情報を使って即興で作りあげる活動2)です。日頃の自分の立場を離れて、ある状況におかれた人間の気持ちを想像しながら、課題解決のための行動を自己決定し、ある役割を模擬的に演じます。環境間題では、特にさまざまな立場の人が複雑にからみあっていることから、ロールプレイは問題解決のために必要な要素に気づき、その態度を養う有効な手段となります。

 

 

 

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