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対象及び方法

1)対象

平成2年3月〜同6年3月の間、魚島村国保診療所に通院し注射による対症療法を常習又は頻回繰り返している変形性腰椎症及び変形性膝関節症例女性21名、男性3名、対照として骨格系痙痛を主訴としない他症例男性3名、計27名についてDIP法(Digital Image Processing Method)により骨量を測定した。疹痛の程度は主訴と問診から軽・中・重度に分類した。診断は腰椎及び膝関節のX線検査により関節腔狭少・骨煉形成像等を認めることで決め、圧迫骨折のある症例は除外した。対照の男性3例の内1例は気管支喘息でステロイド療法中、他の2例は胃潰瘍でタガメット、てんかんでアレビアチンを夫々服用中で、何れも肝臓機能に異常を認めない。

A群:中・重度痙痛型で変形性腰椎症に変形性膝関節症を合併し、常習的に対症注射療法を受けている女性19名の内、57歳1名(A1)、60〜64歳3名(A2〜4)、65〜69歳(A5〜9)5名、70〜79歳9名(A10〜18)、87歳1名(A19)、65歳以上の高齢者は15名である。
B群:軽度疹痛型で変形性腰椎症及び変形性膝関節症を合併し、常習的ではないが随時対症注射療法を受けている。女性2名の内、49歳1名(B20)、57歳1名(B21)。
C群:重度疹痛型変形性膝関節症のため常習的に対症注射療法を受けている73歳の男性1名で、寝酒3〜4合を常習的に飲酒し、軽度の肝臓能障害がある(C22)。
D群:軽・中度疹痛型変形性膝関節症のため常習的ではないが、瀕回に対症注射療法を受けている男性2名の内、軽度の73歳1名(D23)、中度の76歳1名(D24)。
E群:骨格系障害は無く、気管支喘息でステロイド薬を常習的に服用し、発作的にステロイド薬点滴療法を受けている男性59歳1名(E25)。
F群:骨格系無障害の男性2名の内、抗てんかん薬(アレビアチン)服用中の66歳1名(F26)、胃潰瘍薬(ガスター)服用中の65歳1名(F27)。

2)測定方法

両手を背掌方向にX線撮影するが、同時に段階的に厚さが異なる規定のアルミスローブ(Alminiumstep wedge)を手間に置く。第2指中間点における陰影濃度をアルミ板の陰影濃度と比較し、骨幅(D)、骨髄幅(d)、骨密度をコンピュータにより算定する。今回は骨塩量積分値(?濡S/D)と骨皮質幅指数(MCI:MetacarpalIndex)=D-d(即ち、内外両側の皮質幅の和)/Dの2項目について測定した。

尚、測定は当初、撮影X線フイルムを中外製薬株式会社に依託し、保険適応後はBML総合研究所(埼玉県川越市)に送付し測定を発注した。

 

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結果

A〜F群27例の骨塩量積分値及び骨皮質幅指数計測結果を表1に示す。
使用記号の説明:DIP定量グラフの中の男女別・加齢補正基準値線(以下BVC)上に測定値を示すプロットマークがあれば〜印、即ち正常値を示し、BVCの下縁(低値)に接している場含は←印、上縁(高値)に接している場合は→印、正常値・正常値に極めて近い事を示す。BVCより0.1〜0.5mmA/literの範囲で低値の場合は↓印、0.6〜1.0mmA/lの範囲で低値の場合は↓↓印、1.0mmA/l以上低値の場合は↓↓↓印、逆にBVCより0.1〜0.5mmA/lの範囲で高値の場合は↑印、0.6〜0.1mmA/1の範囲で高値の場合は↑↑印、1.0mmA/l以上の場合は↑↑↑印で示した。

 

 

 

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