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III.精検受診率向上への取り組み

A.当院における精検未受診者に対する受診勧奨の流れ(図1)

まず、大腸がん検診受診2ヶ月後に精検結果が精検受診機関より返送されてきていない要精検者に対して往復はがきを郵送し、受診状況を把握する。随時、返信されてきたはがきの未受診理由別に精検を勧める手紙を郵送する。検診4ヶ月後には本人へ電話による受診勧奨を行う。さらに、5ヶ月後には受診者申告の医療機関へ精検結果を間い合わせる。以上の方法で受診率向上への取り組みを行った。

B.対象

平成5年4月から同年9月までに当院で大腸がん検診を行った40,298名のうち、要治療・要精検とされた3,845名を対象とした。なお、要治療とはS状結腸内視鏡検査でポリープなどの病変が発見され、治療の必要ありとされたもの、要精検とは便潜血検査陽性もしくはS状結腸内視鏡検査で何らかの所見を認め、精検の必要ありとされたものである。

C.結果

要治療・要精検とされた3,845名の中で、2,341名(60.9%)は、検診2ヶ月後までに既に精検医療機関を受診し、精検結果が把握できた。残りの1,504名(39.1%)の精検状況の不明の者に対して、図1の流れに従って受診勧奨を行った結果、最終的には83.3%まで精検受診率は向上した(図2)。次に年度別に精検受診率を比較した(図3)。積極的な精検受診率向上への取り組みを行わなかった平成3年度と平成4年度では差はみられていなかったが、平成5年度では要治療者が9313%、要精検者が76.5%と平成3年度、4年度に比べて有意に精検受


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