
1.はじめに
推せんの言葉
厚生省健康政策局 長谷修一
現在、我が国においては、高齢化の進展に加え、経済成長の鈍化、疾病構造の変化、保健医療に対する国民の二一ズの多様化など保健医療を取り巻く環境が急速に変化しています。
こうした中で、要介護者の増大に対応するための介護体制を整備していくこと、医療需要に対応できるよう医療供給体制の整傭を図ることなどが早急に求められており、厚生省では、介護保険法案及び医療法の改正法案などを早期に国会へ提出し、要介護者の増大に対する対応や地域医療のシステム化などをはかり、良質かつ適切な医療を効率的に提供するための施策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
へき地保健医療対策は、無医地区住民の医療を確保するため、無医地区等の調査結果に基づき、昭和31年度から、7次にわたる年次計画を立て、へき地中核病院、へき地診療所及びへき地保健指導所の整備、機動力の確保、へき地勤務医師の確保、医療情報システムの導入、研修機能の強化等の事業を推進して来ました。これらの施策により、へき地における保健医療は着実に向上しつつあると考えておりますが、未だ無医地区といわれる地域が残されていたり、医療水準に地域的な格差があるといったご指摘も受けております。そこで、平成8年度から平成12年度までの5か年を計画期間とした第8次計画を策定し、へき地医療支援病院を新たに位置づけるなど、無医地区等の医療の確保をはかってまいりたいと考えております。
もとより、このような施策は、へき地保健医療に携わる皆様のご理解とご協力なくして成り立つものではございません。日頃から御尽力いただいている方々に心から感謝いたしますとともに、今後一層のご協力をお願い申し上げます。
全国自治体病院協議会において、「へき地医療の現状と対策」の17編が編纂され、へき地保健医療対策に一層役立ち、ま牟、より多くの医療関係者にへき地医療の実態をご認識していただけるものと期待しております。
本誌が、へき地保健医療の向上に一層役立ち、今後益々発展されることを祈念いたしまして推薦の言葉といたします。
(厚生省〒100東京都千代田区霞が関1-2-2)
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