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研究と報告

糖尿病患者の亜鉛摂取量と血中亜鉛、尿中亜鉛と味覚についての研究

寄崎靖子*2 小山勝一*3 岡崎倫正*2 日野原重明*2
はじめに
糖尿病患者の治療の長期化に伴い高齢化が進んでいる。制限された摂取エネルギーの食事療法の長期継続による弊害が出現していないか、外食や調理済み食品の増加する現在の食生活では微量元素の摂取確保が問題である。最近、亜鉛と味覚障害の関係が報告されている。長期の食事療法では味覚は患者のQOLを考える上でも大切なことである。
今回は微量元素の中でもとくに亜鉛の欠乏を来していないか見るために、亜鉛摂取量と、血清亜鉛、尿中亜鉛と味覚障害の関係について検討した。
当クリニク受診者で、NIDDMの30〜80歳の患者57例(男35、女17)、罹病期間は1〜20年に分布。治療方法は食事療法27例、薬物治療26例、インスリン4例を対象とした。
血糖コントロール状態は平均空腹時血糖(FPG)は156mg/dl、安定型グリコヘモグロビンAlc(S−HbAl、)は7.7%、クレアチニンは1.0mg/dlである。
方法
1)食事調査内容から日本食品無機質成分表を用い食事中亜鉛量を算出した。
2)生化学検査は血清亜鉛、血糖、グリコヘモグロビンAlc、クレアチニンを測定した。

 

表1 下表に示す4味質各5濃度、計20本(5ml、ポリびん入り)

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*1 Intake of Zinc,Level of Zinc in Blood,and Out put of Zinc in Urine of Patients with Diabeties and Their Sense of Taste
*2 ライフ・プランニング・センタークリニク
*3 東京慈恵会医科大学第三病院代謝科
第39回日本糖尿病学会年次学術集会、福岡、1996年5月第25回日本総合健診医学会学術大会、大阪、1997年1月

 

 

 

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