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臨死期の患者では測定値があてにならなくなることは注意すべきです。

 

4)酸素療法の効果のアセスメント
酸素療法による低酸素血症の改善は、低酸素血症のアセスメントに準じてその好転・正常値への移行によってとらえることになります。すなわち、自覚症状の改善、他覚症状の軽快〜消失、検査所見の正常値化によって判断されます。多くはPao2、Sao2、Spo2の好転に伴って自覚症状・他覚症状の好転をみるのですが、とくに自覚症状とは平行しないことがあることは知っておかなければなりません。そのような場合は、慎重に自覚症状の発生機序について検討する必要があります。

 

むすび

 

高齢化社会が急速に進展するなかで、慢性閉塞性肺疾患あるいは肺がんなどによって在宅酸素療法を必要とする患者は年とともに増加しつつあります。このような医療の現状をふまえてナースの役割は従来以上にその科学性が要求されています。本書はそのようなニーズに応えるために、酸素吸入の基礎的理解と、その適用や実際的な行動の基本となる知識をできるだけ理解しやすく述べました。さらに深い理論や詳細については、皆様ご自身でさらなる追求をしていただかねばなりませんが、本書は必ずや明日からの仕事の参考になると思っております。
なお、人工換気(レスピレーター)療法については、原理的にも、また技術や機械についても別に取り扱ったほうがよいと考え、本書ではまったく触れてありません。

 

 

 

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