日本財団 図書館


 

表2 成人のPao2とSao2値(B.A.Shapiro)

039-1.gif

 

Sao2については、94〜90%を軽度、89〜75%中等度、74%以下を高度の低酸素血症と考えておいてよいでしょう(表2)。
呼吸不全の診断基準も研究者によって違い、Pao2 75?Hg以下とするものもいますが、一般には60?Hg以下とするものが多く、わが国の基準も前述したように大体これと同様です。
動脈血二酸化炭素分圧(Paco2)の成人の正常値は40±2mmHgです。これより高値を過炭酸ガス血、低値を低炭酸ガス血としますが、一般に過炭酸ガス血症は45mHg以上低炭酸ガス血症は35mmHg以下です。
?経皮的動脈血酸素飽和度検査(オキシメーター)
今日ではパルスオキシメーターによる酸素飽和度の検査が一般に行われています。パルスオキシメーターによる検査値はSpo2と略記します。もちろん正常値は97%以上で、95%以下が低酸素血症になります。
オキシメーターの原理は、酸素ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの量的差を光の吸収スペクトルによって測定したもので、パルスオキシメーターは脈波による血液量の変動を光の吸収スペクトルの変化分として検出する装置です。赤外光は酸素ヘモグロビンで強く吸収され、赤色光は還元ヘモグロビンで強く吸収されます。ですから、あまりに脈が弱く脈波が小さいと、酸素ヘモグロビンと還元ヘモグロビンに量的差があっても検出しにくいという欠点があります。すなわち、血圧の測定が60?Hg以下のショック時や、脈動がほとんどなくなり、低体温となっている

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION