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施設の中味ですが、5室程度宿泊室があり、交流事業ができるようなホール。あと自炊設備で、炊飯器から電子レンジ、ガス設備。つくったものを食べる食堂、洗濯ができるところとか洗面室。資料にはないのですが自転車を備えつけております。食事は出しておりません。基本的に全部自炊になっております。
利用者は、先ほど申しあげましたように外国人でなおかつ会員になってくださった方に限ります。ただし日本人につきましては、宿泊する外国人に同伴する場合など、国際交流を目的とする場合に限って、会員にはなりませんが宿泊はできます。宿泊料金については、会員は1泊2,500円、非会員は3,000円になっております。古い農家を建て替えた二つのヴィラについては、和室ですし鍵もかからないので、全館貨切料金制度もつくっております。運営方法は、個々の国際交流ヴィラの運営管理は地元市町に委託しております。経費につきましては、地元市町村がこらちの利用料をもって充てるという形にしておりまして、県のほうでは運営に対してお金は支出しておりません。統一的かつ円滑に運営を図るために、国際交流ヴィラ運営協議会というものを設置しまして、会員証は共通にして予約や情報も1カ所に集中して行っております。これによって一つのヴィラに集中した場合、他のヴィラに回ってもらうことや、どこでもいいから空いているところを探してくれというお客さんが多いので、事務的にも非常に円滑にいっております。
利用実績につきましては、別紙のとおりで次のぺージになりますが、平成4,5年度は多かったのですが、6,7年度は少し下がりまして8年度は若干回復しているという状況です。この下がった理由というのもあとで出てくると思いますが、地震の影響と円高の影響が大きかったように思います。この約7,000の数字が多いか少ないかというのは私どもとしてはコメントは用意していないのですが、増やす方向で努力はしております。8番目の設置の効果ということですが、何を効果と見るかということが難しいのですが、地域の振興や活性化というものを産業おこしだとか所得だとか雇用という方向に求めると、年間7,000人で会費込みで3,000円払っていただいたとしても2,100万円で、一つのヴィラにならすと350万です。
これに県が修繕を行いますから、大工さんに払うお金とか、来られた方が自炊されるので近所のお店で食料品を買うのですが、そういったわずかなお金を加える程度なのです。なかにはヴィラがある村に家が12戸しかなくて、そのうち50代以下の方が家主で働いている家が2軒しかなく、あとの10軒は70歳以上の方が住まれているという村にあって350万円の収入なのですが、この数字については県の国際交流課としてはとくに判断しておりません。ですから、多いと見るか少ないと見るか、経済上の効果があるかないかという議論にはあえて踏み込んでおりません。われわれとしては、市町村のほうヘヴィラを設置するときに条件として、地域の皆さんが一体となってヴィラを盛り立てていただくために、片方では国際交流組織のようなものをつくってもらえないかというように要請しております。
八塔寺ヴィラのある吉永町というまちですが、町全体では人口は5,000人強おりますが、ヴィラの設置が契機となりまして地元の青年たちが国際交流に関心をもつようになってくださいまして、町長を巻き込んで一緒にオーストラリアヘ行っていろいろな自治体を見て回って、それが姉妹都市縁組みに発展して、今でも地元の中学生や高校生の交換留学事業など、一方的に行くだけではなく、こちらが行った次の年には向こうから来てもらうという相互派遣で進めております。けっこう大きな都市というのは姉妹都市の相手も大きなところでやっているのですが、相互派遣といっても子どもの数が多いのでチャンスが少ないわけです。
私も岡山市出身なのですが、岡山市も大きなところとたくさん姉妹都市になっているのですが、そういった派遣事業に参加する機会はなかったのですが、逆に小さなまちでこういったことがきっかけで国際交流をやってもらえますと、生徒さんの数が少ないので一人ひとりの子どもにとってはチャンスが大きくなるのです。そういう意味では、国際交流は小さなまちほど小さい投資額で大きな効果が出るのではないかと思っております。われわれ国際交流課としては、経済的な効果よりもそういったことの契機になればということで、そういった意味では設置の効果があったのではないかと思っております。
ただ、地域活性化の話は理屈っぽくなりますので、もう少し柔らかい話に変えようと思います。本日お越しの皆さんは、何で交通の便が悪い岡山のしかも田舎のほうに、どこから、いったい何をしに外国人が年間7,000人も来るのか。その点が

 

 

 

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