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素材に対する反応を、徹底的に調査しました。調査の目的は、消費者がいったい何にひかれてオーストラリアに行きたいと思うかを突き止めることであり、マイナス面に取り組むのではなく、プラス面を強調するという戦略でした。
そこで、見合ったコストで最大の効果があるように、自然環境、若さ、エネルギーといった世界的にアピールできる要素が、すべての広告で表現されるような戦略を立てたのです。しかし、個々の国々で、その市場だけに関わる要素や期待もあり、そういったものも取り入れていきました。そこで、広告のなかではオーストラリア人というのは非常にフレンドリーで、観光客を歓迎する人々だということをアピールいたしました。このようなキャンペーンの結果、オーストラリアは世界の強力なブランドに成長いたしました。1994年も、国際的に知られる広告代理店のヤング&ラビカムが、450の世界的なブランドについて21カ国で調査を行ったところ、オーストラリアは世界でももっとも強力なブランドの一つであり、ブランドとしての効力が多大にあるという結果が出ました。当局の追跡調査でも、オーストラリアは14の主要な市場のうちの8の市場で非常に人気があるという結果が出ました。そのなかにはアメリカ、韓国、日本という国々もあり、8年連続で「行きたい国ナンバー1」に選ばれました。
この人気を生かして、新しいロゴをつくりました。キャンペーンに使ったロゴは、オーストラリアのあらゆるプラス要素というものを入れています。環境、植物、動物、色、気候、光、そして若さと現代的なエネルギーです。われわれは、この業界全体でこのロゴを使うように奨励し、商業的にこのロゴを使う場合には、名義使用料をもらうということにしております。
まず、それでは日本で流しておりますテレビキャンペーンをお見せしたいと思います。
−(日本向けキャンペーン映像)−
日本では自然やビーチのイメージが強いオーストラリアですが、シティーライフ、ショツピング、文化的な魅力というイメージはあまり浸透していません。しかし、国際的な日本の皆様には、この部分を訴える必要があり、「スキーをした次の日には、日焼けもできる」というように、バラエティーに富んだ「びっくりの国」であることを売り込みました。ヨーロッパでは、今からお見せするように全く違う形でアピールしました。
−(ヨーロッパ向けキャンペーン映像)−
ヨーロッパ人はオーストラリアを神秘的な国だと感じ、そのヨーロッパとの違いに独特な魅力を見出しています。これはとくにドイツ人にいえることですが、われわれはそのヨーロッパ人の感性を有効に利用し、遠いというマイナス点を補うようにしました。われわれの先住民文化も強力な魅力になっています。それから、北米での広告も非常に違います。共通の言語をもっておりますから、アメリカ人にとっては人と人との交流が、旅行するうえで大事な要素になっています。オーストラリア人と共に楽しみ、探求する、いわばオージースタイルのワイルドウエスト体験が期待されているのです。
というわけで、今からお見せするように、われわれはキャンペーンのなかでこのようなイメージを使っております。
−(コマーシャルビデオ)−
また、アジア向けの広告、例えばシンガポール、韓国、香港、台湾、マレーシア、インドネシア向けのものは焦点がまったく違っています。オーストラリアが与える解放感は、アジアの人々、とくに女性を大きく魅了しています。そこでわれわれは、広告にエキサイティングな要素を組み込み、ショッピングやナイトライフなどのバケーションには重要な西欧的なシティライフを表現しました。ここでは自然は背景として起用されています。では、その広告をご覧ください。
−(コマーシャルビデオ)−
こういったテレビの広告に対しても印刷物、新聞、雑誌などでそれをさらにサポートしているわけです。こういったイメージをつくりあげるのに重要なもの、とくに深さや幅を加えるのに効果的なものに、ジャーナリストに訪豪していただくプログラムがあります。当局が年間600人に及ぶジャーナリストやカメラマンを招待するこのプログラムは、3億1,200万ドルものPR効果を生み出しております。また、当局は世界20カ所のPR担当エージェンシーがありまして、そこで年間15,000件ものメディアからの間い合わせに対応しています。当局は当初から、観光業が多方面においての決断を要するということを認識していました。そしてわれわれは、そのどの段階においても積極的に関わっていかねばならないと考えております。そうすることによって、消費者のよりスムーズな決断を促し、可能性のある旅行者がオーストラリ

 

 

 

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