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いうふうに思いまして、この「銀河英雄伝説」の環境問題版っていうものがあれば、十分その環境問題の啓蒙書として機能するのではないかなと思って、そんなふうに長い物語を読んでいました。
 もっとも、私がそういう環境問題版「銀河英雄伝説」っていうようなものを書ければいいんですけれども、そういうのはまだちょっとまだまだ力不足ということで、でも何か課題として自分にあったらいいなと思っています。
 そろそろ時間も押し詰まってきましたけれども、今日は本当に私の個人的な体験談みたいなものをいろいろと聞いてくださってありがとうございました。何か妙に抽象的なことでしたりとか、乱暴な例え話だったりとかして、ストレートにふるさとということにつながらずにもどかしい思いをされたかと思いますけれども、そのもどかしさっていうものがまさに私のふるさとに対する思いでもあります。
 私はふるさとの大島、この山口というものを大変愛していますし、いずれは帰るべきところというふうに虫のいい考えも持っていますけれども、年に1〜2回帰省して目にするふるさというものは、どうしても、例えば道が真っ直ぐになっているとか、護岸工事が施されているとか、レジャー施設ができているとか、そういう変化ばかりというものが気になってしまいます。
 そういう変化に対していろいろな観点から自分なりの感想を持ち、またふるさとに住んでいる家族とか友人とかと意見を交換したりするわけなんですけれども、私のような立場の者は年に1〜2回しかふるさとに帰ることができないそれゆえに、ある意味でそこで暮らしている人々よりもふるさとに対する愛着が強いというふうにも言えると思います。で、あれこれ注文をつけたくなったりもしますけれども、決して外からの無貴任なヤジではないし、またそうであっては絶対にいけないと思っています。生まれ育ったふるさとのあり方について、たとえ遠くからであっても常に関心を持ち続けるということがふるさとを応援することでもあり、またふるさとを大切にすることでもあるというふうに私は思っています。
 どうかふるさとのみなさんには、私達、この山口で生まれ育っているけれども、でも今はほかの土地で暮らしているようなみなさんの息子さんや娘さんや兄弟や幼なじみの人達というものを、ぜひこれからのふるさとづくりに巻き込んでいただきたい。いつまでもいつまでも愛することのできる懐かしいふるさとと、そんなふるさとづくりに巻き込み、またどんどん利用していただきたいと、そんなふうに考えています。話すことに慣れていなくて、大変お聞き苦しかったとは思いますけれども、最後にもう一度、どうもありがとうございました。 (拍手)

 

 

 

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