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6 おわりに
以上本市における「高齢者にやさしいまちづくり」施策について、福岡市市民福祉サービス公社、在宅ケア・ホットラインを中心に述べてきたが、21世紀の高齢社会を迎えるに当たり、全ての市民が等しく社会参加の機会を持つことができ、自己実現を果たすことができる福祉のまちづくりを強力に押し進めることが必要となっている。
これまでのまちづくりは、ややもすると健常者中心の経済効率に重点を置いたものとなるところがあったが、4人に1人が高齢者になる時代では当然のことながら高齢者にとっても住みやすいまちづくりが期待されるところである。
現在、本市においては「福祉のまちづくり条例(仮称)」の制定に向けて作業が進められている。本市では、平成4年に福祉に配慮した都市施設の技術的ガイドラインである「福岡型福祉社会のための環境づくり指針」を策定し、これに基づき建築の際の福祉協議など指針の普及に努めてきたが、高齢者等の社会参加などを推進していくためには、都市環境の整備とともに、市民自らが福祉社会の実現に向けて行動することが重要となる。このため、ハード面の整備を進めるとともに、市民の自助と地域福祉や社会参加の促進を図り、さらには地域社会の重要な構成員である民間事業者の理解と協力を求め、さらには市民の地域福祉や社会参加の促進を図り、ハード・ソフト両面に調和のとれた福祉のまちづくりを推進していくため、福祉のまちづくり条例を制定しようとするものである。
条例の制定の前提としては、福祉に対する意識改革が不可欠であると考えられる。すなわち、従来の救貧的あるいは滋恵的なイメージの福祉から、より積極的に人権を尊重し、自己実現を保障すると同時に、全ての市民が自分の存在の場で生活の質を高めていくという視点が必要ではないかと考えるところである。

 

 

 

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