日本財団 図書館


た、相談窓口が専任化されたことによって、総合調整役としての役割が明確となり、保健所、福祉事務所、社会福祉協議会への組織的な引き継ぎの体制ができた。
オ 実践的な研修効果(人材育成)
専任職員にとって保健・福祉両面での実践的勉強ができ、幅広い観点からの相談能力が向上し、職員の資質向上、ひいては保健所・福祉事務所機能の向上につながっている。
?問題点と今後の対応
ア 相談の目的は、在宅ケアマネジメントによる、本人の自立援助と家庭等における介護負担の軽減である。在宅サービスのうち、日常生活用具の給付・貸与などの物質的援助については、窓口開設後大幅に利用が増え、十分な対応もできているが、利用希望の多い施設入所やデイサービス、ショートステイ、入浴サービス等人的・施設的な対応を要する在宅サービスは、キャパシティ不足により対応が不十分であることから、これらのサービスの充実を図る必要がある。
イ 家庭での介護を希望する利用者の意志の尊重と高齢者の持ち家率の高さを勘案すると、家族介護による在宅ケアに対する支援策(優遇策)の検討が必要である。
ウ 在宅介護や寝たきり予防には、医療機関からの退院前の関わりが大切だが、退院前からの相談は少ない。退院前に窓口が関与し、在宅介護の支援サービスや住宅改造ができれば、在宅介護がより可能となるケースも増加すると考えられ、今後は、医療機関との連携を図り、病院への出前相談等も検討する必要がある。
(2)福祉情報システムの構築
高齢者や障害者等の要援護者が抱えている多様なニーズに対しては、行政としてもきめ細かい相談・支援が求められている。しかし、これら要援護者の情報は各事業担当毎に管理されており、相互に有効活用が行われていないため、総合的な対応ができていない状況にある。このため、各種給付やサービス提供の資格認定等の事務処理の効率化を図るとともに、サービスの利用状況や身体状況等の個人情報を一元管理することにより、一人一人のニーズに応じた総合的かつ的確な相談業務ができるよう、平成10年度の稼働を目指し、福祉情報システムの開発を進めている。
?システムの概要
ア 福祉相談支援システム相談窓口において、相談者の世帯状況、身体状況等を入力し、市が保有する個人情報や施策情報と連動させることにより、個人ニーズに応じた施策情報等の提供を行い、各種サービスの利用調整等を図る。
イ 福祉業務システム各種福祉関係事業をオンラインにより即時処理することによる事務処理の迅速化を図るとともに、情報の相互利用による資格認定の適正化を図る。
ウ 共通管理システム高齢者の日常生活動作など要援護者個人個人に関する基本的な情報や民生委員、施設、医療機関などのシステム共通で利用する情報の一元管理を行うとともに、他業務システムとの連動や個人情報保護を含めたシステム全体のセキュリティ対策としての操作資格者管理等を行う。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION