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境によってうみだされると定義している。
 
・機能障害(impariment)
心理的・生理的、解剖学的な構造または機能の喪失または異常
・能力低下(disabi1ity)
機能障害によってもたらされた能力の欠如・制限
・社会的不利・障害(handicap)
機能障害または能力低下の結果として、人間と環境との相互作用により生み出される社会的不利
 
世界保健機関(WHO)の定義は創造的な見方であり、ある人の障害の有無あるいは度合いは機能低下とその人を取り巻く物的環境の関係によって決定されることを示している。同様の機能障害があっても、異なる物理環境の中では障害の程度は異なる。社会的に不利になるかどうかは、障害を持つ人々が生活する環境による。地域社会に、いわゆる社会的弱者に対する理解が浸透し、都市施設や公共交通機関などが車椅子で利用しやすいものになれぱ、社会的不利は著しく減少する。障害者個人にとってのハンディキャップの有無は、都市環境などとの相対的な関係で決まることが大きい。
このことは、『バリアフリーのまちづくり』が、決して高齢者や障害者などのための特別な配慮ではないことにもつながる。社会環境が障害の程度に差をもたらすのであり、段差を無くし、駅にエレベーターを設置することは、こどもを連れた人や荷物を持った人にも侵しい普遍的なものでありる。『バリアフリー』は、障害を持った人を特別視するものではなく、最終的には誰もが利用しやすい普遍的なデザイン(ユニバーサルデザイン)を目指すべきものである。
注1 「高齢社会白書、平成8年、総務庁偏」参照
注2 「川崎市高齢者保健福祉計画、平成5年」参照
注3 「スウェーデンの住環境計画、スベェン・ティーベィ、外山義訳、鹿島出版会、平成8年2月」から引用
注4 「バリアフリーのまちづくり、白石真澄、日本経済新聞社。平成6年10月」から引用

 

 

 

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