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(i)福祉の都市環境づくり推進指針
高齢者・障害者や幼児など社会生活上ハンディキャップのある市民もともに生活し活動しやすい「福祉のまちづくり」を進めるため、昭和52年に市民利用施設を中心とした建築物に対する事前協議制を取り入れた「福祉の都市環境づくり推進指針」(以下「推進指針」という)を定めた。
推進指針では、次のとおり基本理念を定めている。『都市はすべての市民の生活の場であり活動の場である。ここでの生活・活動における基本的人権の保障は、すべての人を対象にしたものであり、身体的にハンディキャップのある人もそれに含まれるのは当然である。しかし、これまでの都市は「健常な市民」を中心とした考え方の上に築きあげられてきており、すべての市民を対象とした「まちづくり」という視点からの対応が不十分であったことも否定できない。(中略)また、市民の協働による「市民福祉」の向上のためには、障害者、高齢者などを含めたすべての市民が、それぞれの立場で参加し、その能力を発揮することがなによりも必要である。(中略)市民生活に必要な施設の整備・改善を行い、あわせて成人市民はもちろんのこと、次代を担う子どもたちに温かい想いやりの心が育つよう努めることによって、これらの社会生活上でのハンディキャップがある市民が健常な市民と同じように社会の一員として、住みよく、行動しやすい福祉の都市環境をより一層の熱意をもって築こうとするものである。』
そして推進指針は、この基本理念を実現するために市民生活に必要な施設の整備基準を示している。
また、平成3年4月には、高齢化の進展や障害者の社会参加の促進などに対応し、対象施設規模を日常生活に密着した小規模施設にまで広げたことやエレベーター、トイレの共有化などノーマライゼーションの考え方を一層浸透させることを目的として、推進指針の大幅な改定を行った。
*協議対象施設
・延べ床面積限定なし:社会福祉施設、美術館、図書館、学校、病院等
・延べ床面積500?以上規模のもの:展示場、劇場、飲食店、ホテル等
・延べ床面積1000?以上規模のもの:事務所、共同住宅、複合施設等
*整備箇所
アプローチ、通路・廊下の段差解消、通路・廊下の有効幅員、車いす

 

 

 

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