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平成4年度の「高齢者生活実態調査」でも、寝たきりの高齢者・痴呆性の高齢者の約1割がホームヘルプサービスや民間生活用具レンタルなどの有料サービスを利用している。
利用者本位の福祉サービスを提供するためには、行政と民間が競い合い、補いあうことが今後、さらに求められるのではないか。
(4)行政の再構築
すべての市民が心身ともに健康な生活を送ることができる生涯福祉社会を目指すためには、保健・医療・福祉などのサービスの有機的な連携が不可欠であることは、指摘されて久しい。そのための機構改革も色々と取り組まれてきているが、必ずしもサービスの提供を受ける市民の側に立ったものとは言いがたい。むしろ、サービスを提供する行政の側の都合が優先された発想で、議論している傾向があり、特に国の省庁の縦割り行政の影響から脱しきれていない。地方分権の動きのなかで、今後は、いかにすれば市民がサービスの提供を受けやすいかとの発想に立って、行政を再構築していく必要があろう。
 
6 おわりに
 
札幌市では、2000年からスタートする新しい長期総合計画の策定にちょうど着手したところである。「高齢者にやさしいまちづくり」は、計画策定の中でも、もっとも重要な課題となるであろう。
 
(主な参考文献)
・平成4年度 札幌市高齢者生活実態調査報告書
・平成8年度 札幌市政世論調査報告書 テーマ雪と市民生活
・札幌文庫75 札幌市の冬 (札幌市教育委員会編)
・老人医療費分析報告書 平成7年1月(札幌市国民健康保険)
・札幌市を中心とした道央都市圏の人の動き

 

 

 

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