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(8)責任期間
第五条(期間の制限)
第1項 第三条に規定する損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時から三年間行わないときは、時効によって消滅する。その製造業者なが当該製造物を引き渡した時から十年を経過したときも、同様とする。
第2項 前項後段の期間は、身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害又は一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害については、その損害が生じたときから起算する。

 

被害者の損害賠償請求権は、「被害者が損害及び賠償義務者を知った時から3年間賠償請求を行わないとき」または「製造業者などが製造物を引き渡した時から10年を経過したとき」に消滅する。
(「引き渡し」とは、「自らの意思に基づいて製品の占有を移転する」ことを意味する。従って、製品を出荷した、あるいは、流通の過程においた時点でPL法上の「引き渡し」が成立する。消費者の手にわたった時点とは必ずしも一致しない。)なお、医薬品事故などがその典型的事例として想定される蓄積・遅発損害(潜伏期間が経過した後、症状が現れる損害など)については、「その損害が発生したとき」を起算点とする特例が設けられている。

 

(9)民法との関係
第六条(民法の適用)
製造物の欠陥による製造業者の損害賠償の責任については、この法律の定によるほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による。

 

製造物責任法は、民法の特別法として構成されており、従って、本法に規定されていない内容については、民法の規定が準用されることになる。

 

2.3 製造物責任事故の具体例
<船舶以外の例>
●家庭用テレビに使用されていた部品に欠陥があった為に、当該テレビから発火し、消費者がその火を消そうとして両手に火傷を負い、また、家財の一部が焼失した。
●食料品の製造工程において不純物が混入し、当該食品を摂取した消費者に身体障害が発生した、
●サルモネラ菌に汚染された原料により製造された食品が原因となって、食中毒事故が発生した。
●給排水設備業者の工事の欠陥により引き渡した後に漏水事故が発生し、階下の居室の壁及び収容

 

 

 

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