日本財団 図書館


 

1. はじめに

平成7年7月1日から、欠陥製品による消費者被害の救済を目的とした「製造物責任法(略称、PL法)」が制定され、自動車業界、住宅部品業界、家庭用電気業界などの一般消費財製造業者は、「PLセンター」を設置するなどしてPL対策を実施している。
船舶は、主として取扱者が専門知識を有している点等が他の分野とは異なるものの、PL法の対象となる「製造物」の範疇に入ることは明らかであり、今後予想される使用者(据え付け、運転・操作、整備、運搬などに携わる作業者など)等の事故を未然に防ぐよう努力すること[PL予防策(略して、PLP:Product Liability Prevention)]が、いっそう重要性を増してきている。
本会では、上記状況を踏まえ平成8年度に、PL法の要点、船舶部門としての具体的事故例、船舶PL予防策の考え方、船舶関係業界における義務・責任分担のあり方、警告表示のあり方等、主としてPL予防策に関して基礎調査を実施し、今後の船舶業界として対応する際の姿勢(指針)を取りまとめたので、ここに報告する。

 

1.1 船舶PLP検討専門分科会の設置について
平成8年度に、本会標準委員会直属の専門分科会として、船舶として必要なPL予防策のあり方を検討するため、舶用機器製造業者代表、造船所代表、船主代表などからなる「船舶PLP検討専門分科会」(以下、専門分科会という、)を設置して基礎調査に取り組むこととした。専門分科会は、WG1及びWG2に分かれて、それぞれ1.2の役割で作業を行った。

 

1.2 専門分科会の役割について
今回の基礎調査は、PLPの製品安全対策(設計・製造上の欠陥や指示・警告の欠陥などによる事故の未然防止)を中心に、
(1)WG1では、船舶業界におけるPL対策の必要性とそのあり方及びPLP対策としての統一標準化の必要性とそのあり方などについて調査、検討した。
(2)WG2では、既存のPLPに関係する標準類の位置づけと利用(使用方法)方法のあり方などについて調査し、舶用諸機器を中心とした警告ラベルの規格化のあるべき姿について検討した。

 

1.3 専門分科会の構成
分科会長(WG1主査) 柿原実(エイ・ディー・ディー)
委員(WG1) 坂本優(日本海事協会)
委員(〃) 千葉廣(日本船主協会)

 

 

 

目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION