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ヨーロッパ地方自治憲章

 

前文

本憲章に署名したヨーロッパ評議会加盟国は、ヨーロッパ評議会の目的が、共通の遺産である理想と原理を守り・実現するため、加盟国間のより密接な統合を達成することにあることを鑑み、この目的を達成する方法のひとつが、行政分野における協定の締結であることに鑑み、地方自治体があらゆる民主主義的国家形態の本質的基盤のひとつであることに鑑み、公共的事項の運営への市民の参加権が、ヨーロッパ評議会の全加盟国に共通の民主主義原理のひとつであることに鑑みて、この権利が地方のレベルにおいて最も直接的に行使されることを確信し、真の権限をもった地方自治体の存在が、効果的で市民に身近な行政を供給しうることを確信して、多様なヨーロッバ諸国における地方自治の擁護と強化が、民主主義と分権の原理に基づくヨーロッパの建設に対する重要な貢献であることを意識して、これには、民主的に構成された意思決定機関をもち、権限、権限行使の方法と手段、およびその実現に要する財源に関して広範な自律性をもつ地方自治体の存在が必要であることを強調して、下記の通り合意した。

 

第1条 当事国は、憲章第12条に規定された方法と範囲において、以下の条項により拘束されることに・注意を払う義務を負う。

 

第1部

第2条[地方自治体の憲法および法律上の基礎]

地方自治の原則は、自国の法律において、また実行可能なところでは憲法において承認される。

第3条[地方自治の概念]

<1> 地方自治は、地方自治体が自らの責任において、地域佳民のために、法律の範囲内において、公共的な事項の基本的部分を管理・運営する権利と能力を意味する。

<2> この権利は、直接・平等・普通選挙に基づく秘密投票によって自由に選出された者で構成され、その構成員に対して責任を負う執行機関をもつ会議体によって行使される。この規定は、法律による許可があるところで、市民集会、住民投票、その他の直接的市民参加の方法をとることに、なんら影響を及ぼすものではない。

第4条[地方自治の範囲]

<1> 地方自治体の基本的権限および責務は、憲法または法律により規定する。Lかし、この規定は・法律に従った特別目的のための権限および責務の地方自治体への帰属を阻止するものではない。

<2> 地方自治体は、法律の範囲内で、その権限から除かれていない事項、または他の自治体に付与されていない事項に関して、自らの発意に基づいて行動する完全な決定権をもつ。

<3> 公的な責務は、一般に、市民に最も身近な地方自治体が優先的に履行する。他の地方自治体への権限配分は、仕事の範囲と性質および能率と経済の要求を考慮して行われる。

<4> 地方自治体に付与される権限は、通常、十分にしてかつ独占的でなければならない。この権限は、法律の規定する場合を除き、他の中央または広域政府が侵害または制限してはならない。

<5> 中央または広域政府が地方自治体に権限を委任する場合、権限の行使を地方の実態に適合させるため、地方自治体にはできる限り裁量の自由が認められる。

<6> 地方自治体は、その直接に関係するすべての事項につき、計画および意思決定の過程の適当な時期に、適当な方法で聴聞を受けるものとする。

第5条[地方自治体の境界の保護]

地方自治体の境界変更は、関係地域共同体の事前の協議がなければ行うことはできない。法律で住民投票を認めている場合、事前の協議はこれによることもできる。

第6条[地方自治体の事務のための適当な行政機構と職員]

<1> 上位の一般法規に違反しない限り、地方自治体は、地域のニーズに対応し、効果的な運営を保障するために、その内部的行政機構を決定することができる。

<2> 地方自治体の職員の勤務条件は、業績と能力において資質の優れた職員の確保を可能とするものでなければならない。この目的のために、十分な研修の機会、給与および昇進の見込みが与えられる。

第7条[地方レベルにおける責任遂行の条件]

<1> 地方選出議員の勤務条件は、職務の自由な遂行を保証するものでなければならない。

<2> 勤務条件については、当該職務の遂行に必要な費用の適当な財政的補償並びに、適当なときには、収入の損失補償またはその行った仕事の報酬およびしかるべき社会保障による保護を考慮するものとする。

<3> 地方選出議員の職の保有と両立できないとみなされる職務および活動は、法律または基本的法原則によって規定する。

第8条[地方自治体の活動の行政監督]

<1> 地方自治体の行政監督は、もっぱら憲法または法律の定める事件について・その定める手続きに従ってのみ行うことができる。

<2> 地方自治体の活動の行政監督は、通常、法律および憲法原則の遵守の確保のみを目的とする。但し、地方自治体に執行の委任された事務につき、上位の政府は便宜牲を考慮して行政監督を行うことができる。

<3> 地方自治体の行政監督は、保護の目的となる利益の重要性に比例して、監督官庁の介入が保持されることを保障する方法で、行われなければならない。

第9条[地方自治体の財源]

 

 

 

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