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戦争」はここにも登場することになる。

ヴィドリンの「州憲章と法的空間」というレポートにより、その状況を概観してみよう(20)。93年に制定されたロシア憲法は、州憲章の制定に関連する立法活動をうながした。連邦構成主体の圧倒的多数において憲章が採択されるに至っているが、州の最高法規たる地位を占めていることから、中には「基本法」と名づけているものもある。

多くの場合、憲章は州や地方の立法機関がこれを制定する。「スヴェルドロフスク州議会(州ドゥーマ)は、スヴェルドロフスク州の領域に住むロシア市民の名において行動し、…この憲章を採択する」とするタイプが多い。しかしオレンブルグ州では、憲章は「領域に住むロシア市民」が制定するとしている。ペルミ州の7章42ヶ条、スヴェルドロフスク州の2部142ヶ条といった憲章の量的な差異も眼につく。また、たとえばスヴェルドロフスク州憲章は、人と市民の権利および自由の擁護を定め、市民の権利擁護のために人権オンブズマンの制度を導入している。オレンブルグ州では州の国家権力機関を組織することを市民の不可分かつ争う余地のない権利だと定めているが、反対にノヴゴロド州憲章では人の権利および自由についての規定はまったく見られない。

州の地位にかんする規定は憲章の中心的位置のひとつを占めているが、この点では各憲章は一様に、州をロシア連邦の同権の構成主体と規定し、その領域はロシア連邦の不可分の一部であることを強調している。しかし、タムボフ州憲章は、それを行政的・地域的区分と呼んでいる。また、権力の唯一の源泉は人民であるという憲法規定にしたがっている憲章が多いが、ペルミ州憲章のように「すべての権力は…住民から派生する」としているような例外もある。州や地方が、「国家」か「自治体」かをあいまいにする表現であり、連邦の編成原理における動揺が反映していると見るべきであろうか。連邦構成主体の地位は、ロシア連邦と当該構成主体の相互の同意により連邦の憲法的法律にしたがってこれを変更することができることになっているが、今のところこの法律はまだ存在しない。この点でも州の対応にはばらつきがある。オレンブルグ州では州の有権者の多数の意思表示にもとづいてのみこれを許されるとし、ペルミ州ではレファレンダムによる住民の同意なしに州の領域的再編はできないとされている。

州の国家権力機関は、それぞれ立法、執行および司法機関によって代表され、立法権は州の代表機関によって行使される。立法機関は、スヴェルドロフスク、ペルミ、イノレクーツクおよびオレンブルグ州では立法議会、タムボフおよびノヴゴロド州ではドゥーマと呼ばれている。これらの憲章の多くは、一院制の立法機関を定めているが、例外的に、スヴェルドロフスク州の立法議会だけは州ドゥーマと衆議院の二院からなっている。州ドゥーマの選挙は、全州一区の比例代表制によって行なわれ、衆議院は、選挙区ごとの相対多数による選挙制をとっている。州ドゥーマは、州の登録政党その他の選挙連合を代表し、衆議院は自治的な地域の利益を実現する。

 

 

 

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