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された。
 しかしながら、ここでの関心は専ら首府選定過程にあったので、その物語の意味については、1857年までのワシントンの政治的象徴性を分析した、カミングスJrニプライスの論考の結論部分のテーゼのうち四つを引用するにとどめる(8)。

・鍵となる人物達の影響が、D.C.のとったフォルムに与えた影響は決定的であった

・多分に多元的な社会における首府の地理的位置は、新政府の真のナショナルな焦点の重要な象徴として働いた

・文化・教育施設の創設が、ワシントン発展の重要なステップになり、施設の発展が首府の生活の質に特別な性格を与えた

・ワシントンは、その創設者が、国の首府として想定した主要な役割、すなわち、現下の公的争点がdramatizeされる国民的舞台・焦点、を時を越えて果たすようになった。
 最後の点については、南北戦争前夜コロンビア特別区における奴隷制の存廃が、まさに象徴として大きな争点となったことを一例証として挙げることができる(9)。

3 ワシントンD.C.の統治制度一過去と現在

(1)自治制度の付与と剥奪(10)

 先に見た過程において、ワシントンD.C.そのものの統治制度は、どうなっていたのか。
 略説すると、連邦憲法によって、連邦法の専属管轄下におかれることとなっていたコロンビア特別区[この呼称自体は、1796年連邦法による]では、まず、90年法の定めた3人の[建設]委員により運営がなされたが、1802年には同じく連邦法によって、同地区内ワシントン市(City of Washington)に市設立憲章(municipal charter)が付与された。法人格をもった市の誕生であり、白人男性で最低一年の居住/納税者が選挙権を持つ市議会(Council)及び大統領任命の市長(Mayor)を持つこととなった。

 

 

 

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