介護保険制度案大綱
1. 介護保険制度の基本的考え方と実施のための条件整備
1. 介護保険制度の基本的考え方
(1)高齢化の進展等に伴い高齢者介護が大きな社会問題となっている状況を踏まえ、高齢者が自立した生活が送れるよう、老化に伴い介護が必要な者に対して社会的な支援を行う仕組みを確立する。
(2)介護保険は、医療と福祉に関わる各主体が、それぞれの機能を発揮しつつ、重層的に支え合う制度とする。給付は、住民に最も身近な行政主体である市町村が国や都道府県の協力を得ながら実施する一方、安定的かつ効率的な制度運営を確保するため、市町村、国、都道府県、医療保険者などが、それぞれの役割に応じ費用を分担する仕組みとする。
(3)介護が必要な者が、自らの意思でサービスの利用を選択でき、ニーズに即した介護サービスが総合的、一体的に提供されるような利用者本位の制度とする。また、介護サービスが充実するよう、現物給付を原則とし、マンパワーの養成確保及び施設整備の促進を図る。
(4)介護サービスの提供主体に対する規制緩和を進め、多様な民間事業者等の参入を促すことにより、介護関係の市場や雇用の拡大につながる制度とする。また、市民参加の非営利団体、地域住民の組織なども参加できる柔軟な仕組みとする。なお、公的保険を上回るニーズ等に応えるため、民間保険の積極的な活用が可能となるよう努める。
(5)介護サービスに要する費用、社会保険制度により、高齢者、現役世代、事業主等が連帯して支え合うこととし、国及び地方公共団体による公費負担も適切に組み入れることとする。
(6)介護保険の導入は、今後進められる社会保障制度全般にわたる再構築に先行して、その前提条件を整備するものであり、国民負担(租税・社会保険料負担)が過度にならないよう、利用者負担と適切な組み合せを行った上で、効率的な介護サービスの提供や社会的入院の解消、施設間の利用者負担の適正化等を進めるも