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ティ行政の一環と言えるのではないだろうか。このように見てくると、個々の例はともかくとして、全体的に役所機能の総合的な地域分散と住民組織の支援がセットになって、今の地方行政の一側面が形づくられていると思われる。

イ ドイツにおける自治体内地域区分と住民参加組織

日本では地方自治法という国の法律があって、自治体の基本的なあり方が決まっていることになっているが、ドイツでも基本的には同じであり、各州で自治法を決め、それに基づいて各自治体が組織される。そしてドイツでは、各州の自治法に基づいて、市を幾つかの区域に区切り、その一つ一つに地域事務所を置き、それと対応する形で住民参加組織を置くというシステムが、比較的大きな都市には必ずと言っていいほどある。

ここでは大都市として、特に都市国家を取り上げ、その自治体内地域区分を見ていきたい。「都市国家」とは都市が州になっているという事態をあらわす。「都市国家」とはやや大袈裟に聞こえるかもしれないが、ドイツではごく普通の言葉であり、具体的にはベルリンとハンブルクとブレーメンがある。なおベルリンはそのうちブランデンブルク州に編入され、都市国家ではなくなる予定であるが、ハンブルクとブレーメンは港湾都市としての伝統から、今までずっと州としての待遇を得ている。ハンブルクの正式名称は現在でも自由ハンザ都市ハンブルクであり、ブレーメンの正式名称は自由ハンザ都市ブレーメンである。

しかしドイツの住民参加組織は政党べ一スで組織されている。これは町内会べ一スの参加組織を見慣れた私には非常なショックであり、日本の住民参加と比較することに学問的意味があるのかと不安に思ったほどである。例えば日本でも多少有名になった外国人参政権をめぐる憲法裁判で、連邦憲法裁判所は、住民組織に国家権力を委譲することはなんの問題もないとこともなげに言っている。ドイツ連邦憲法裁判所1990年10月30日判決がそれである。これはハンブルクとシュレスヴィヒ・ホルシュタインの選

 

 

 

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