イ物流拠点に求められる役割
アで掲げた物流を取りまく状況変化において、今後次のような役割が物流拠点に求められている。
(ア)トータル物流サービスの提供
輸送・保管機能に加えて、原材料の調達から生産、販売、廃棄物回収など、一連の物流活動をトータルに連携させて、複雑な流通経路を整理簡素化し、コスト低減を図る。
(イ)物流活動の共同促進
多数の荷主の物流システムを集約し、在庫管理、輸配送の共同化を図る。
(ウ)輸送機関間の結節機能強化
幹線輸送効率化、都市内共同饒配送の推進のために輸送機関の結節機能の強化が必要。
(工)集積立地による効率化など
物流の共同化、流通機能の向上などのためには物流拠点の集積立地が必要。
(オ)輸入拡大と物流拠点
・増大する製品など崎入賞物の受入体制の整備と国内輸送の円滑化が必要
・鮮度管理を要する生鮮一次産品や米の輸入、備蓄への対応が必要
・物流活動集約化、共同化などのためには情報化の推進が不可欠
ウ今後の物流拠点の整備方向
(ア)物流拠点投竈の促進
物流拠点の整備には、広い用地が必要になり、用地費、建設コストなどから相当の資金と長幼の投資懐妊期間が必要とされる。しかも、投資収益率が必ずしも高くないため、その立地がなかなか進まない傾向がみられる。
それゆえ、物流事業者の投資意欲を饒成し、新たな物流拠点への投資を促進していくためには、国や地方公共団体がその政策方向に沿った物流拠点の整備に対して政策税制の改善、政策金融の充実、民活法などによる支援制度の拡充、地域社会の支援などの措置を講じていく必要がある。
なお、物流拠点の中継、結節、保管、在庫管理などの機能を効率的に行い、高コスト構造是正、輸入拡大などの要請に的確に応えるためには、これを支える道路、港湾鉄道、空港などの物流インフラの整備も必要となる。
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