架橋の実現までには、まだまだ多くの時間を要する。架橋の完成までは、本土と大崎上島あるいは本町を結ぶ海上交通は、唯一の交通機関である。このため、竹原市と本町の白水及び垂水地区を結ぶ海上交通は、大崎上島の経済・生活の生命線を担う主要な交通幹線となっている。生活・経済活動の多くを本土に依存する本町及び大崎上島は、本土との物流の拡大や利用者の増大に伴う車両の大型化と増加によって、港湾施設が不足しつつある。また、住民の本土での活動時間の多様化に伴って、始発・終便時間や増便などの海上輸送サービスの充実が求められている。
意識調査結果によると、フェリーの料金について7割以上が不満としており、フェリーの乗り換え、便数についても6割前後の住民が不満を抱えている。特に、居住年数が新しい人程、不満の割合が高くなっている。
島内での定住化を促進し、交流人口を拡大していくためには、本土との交流軸となる海上輸送の」層の拡充が求めらる。
一方、生野島などの属島を多く有する本町は、町営渡船(フェリー)を1日7便運行し、住民の交通の便を確保している。しかし、就学時間に対応した運行要望が高いものの、過疎化の進行とともに乗客が減少傾向にあり、赤字を拡大している状況にある。
生野島の観光・レクリエーション機能の強化などにより、町営渡船(フェリー)の乗船利用者の拡大による、赤字経営を削減に努める必要がある。