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用負担を伴うことを考えれば、今後の観光情報戦略において検討すべき重要な事項であるといえよう。

 また、インターネットに限らず対象を絞り込んでの細やかな情報発信や観光のイメージ戦略の一環としての情報発信など積極的な取り組みが必要である。

イ 基本方針

○本町では、これまで生野島における自然休養村開発以外特段の観光振興策を講じて来なかった。しかし、温暖、風光明媚な景観、柑橘類の生産、豊かな漁業資源など瀬戸内多島海地域特有の条件に加え、首都圏から最も近い瀬戸内海の島のひとつという優位性を勘案すれば、観光的分野での発展の可能性は少なからず存在すると考えられる。このため、種々の条件を再検討しながら、本町独自の観光の確立を目指す。

○現在、本町に類似した(過疎、高齢化、自然環境優位、第1次産業衰退など)多くの自治体において観光開発を指向する傾向が強くなっているが、本町においては、同様に厳しい条件の中から、活用可能な地域資源を産業おこしという観点で掘り起こすとともに、それらの地域性の高い産業と連携のとれる観光を推進する。

○本町は、穏やかで、落ちつきのある、日常生活に過大な負荷がかかることのない環境的な条件を有している。このため、今後の本町の観光振興においては、レジャー優先の行動型観光ではなく、そのような町の環境特性を活かした、現代の多くの人々が求める「癒し」の機能をもつ滞在、交流型の観光形態を主流としていく。

ウ 主要事業

(ア)健康文化モデル都市の推進

 本町は、厚生省の推進する「健康文化と快適なくらしのまち創造プラン(健康文化都市構想)」事業と厚生省・建設省が推進する「海と緑の健康地域(健康海岸構想)」事業のモデル都市指定を受け、住民参加による総合的な健康づくりに向けての取り組みをはじめている。

 この取り組みは、住民のふれあい、保養・健康づくり、学習の場を創出するとともに、海が取り巻く特徴ある環境の中で、様々な健康資源を活用しながら地域活性化のための交流人口の増加を図ることを大きな目的としている。

 観光的側面からみれば、生野島における自然保養エリア形成による自然環境と一体となった施設整備を中心として、産業エリアにおける特産品の開発・流通機能の強化、緑の自然環境エリアでの自然との触れ合い空間の創出、町の中心地区における文化、交通、飲食などの集積した空間の創出などの事業が盛り込まれ、今後の観光振興を支える重要なプロジェクトとして位置づけられる。

 

 

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