平成7年現在の本町の老年人口は941人、老年人口比率は28.6%に達しており、住民の約3〜4人に1人が高齢者となっている。本町の総人口は減少傾向にあるが、老年人口は増加する傾向を示しており、特に後期高齢者(75歳以上)の増加率が著しい。要介護者の出現率は加齢とともに上昇するため、今後は寝たきりや痴呆などの介護を必要とする住民が増加していくことが考えられる。また、世帯の小規模化や介護者の高齢化によって家庭の介護機能が低下していくことも考えられる。
こうした要因から、本町において寝たきりや痴呆などの要介護高齢者を対象とした介護サービスニーズが増大していくことが考えられる。
こうした二一ズに対応していくためには、保健婦、ホームヘルパーなどのマンパワーの計画的な増員、デイサービスセンターなどの施設サービスの質的向上が必要となる。
また、サービス内容についても、家事援助型サービスから介護援助型サービスヘと介護二一ズが変化していくことが考えられる。このため、マンパワーや施設の増嵩だけではなく、サービスニーズの変化に対応したサービスメニューの再編が必要となってくる。
(イ)一人暮らし高齢者、夫婦のみ世帯に対する生活支援
過疎化の進行に伴って、本町では全国平均よりも速いスピードで高齢者世帯(65歳以上の親族のいる一般世帯)の規模の縮小や核家族化が進行している。平成2年現在で本町の高齢者世帯に占める核家族的世帯(一人暮らしの世帯と核家族の世帯の合計)の割合は7割を超えており、一人暮らし高齢者世帯の増加、高齢者世帯の介護力の低下をまねいている。
町社会福祉協議会の調査によると、平成7年現在、町内の一人暮らし高齢者は157人(世帯)、高齢者全体の29.9%を占めている。また、ホームヘルプサービスなどの在宅サービスを利用している町内の要援護・要介護高齢者世帯は、平成8年現在で約20世帯となっているが、このうち一人暮らし高齢者は7世帯、夫婦のみ世帯は8世帯と、この両者で全体の7割以上を占めている。
増加していく一人暮らし高齢者、夫婦のみ世帯に対しては、自立した生活を確保するための支援、緊急時などの安全の確保、生きがい・社会参加の促進などが必要となってくる。