第5章 東野町「まちづくり」の目標
1 計画の視点
(1)現計画の反省に立った計画の策定
バブルの初期に策定された現行の総合計画(昭和62年策定)は、地域の状況認識についての厳しい指摘がなされたものの、計画内容は外部経済に依存した楽観的なものであり、人口減少などの面からみると、現在の本町のまちづくりに充分に貢献したとはいい難い。
現行の総合計画策定時に比較して現在の本町は一段と厳しい状況にある。こうした状況を乗り越えるためには、地域構造を変える効果的で効率的な事業展開が求められる。総花的な計画づくりは、地域の主要な計画課題・計画内容を希釈することになり、地域課題に対しての的確な行政施策の運営、事業展開が難しい。
地域の課題を踏まえ、地域目標に焦点を当てた横断的な事業計画を提案することが必要である。
そのためには、明確で完成度の高い目標・グランドデザインを提示することが間われる。
(2)島内の諸活動を束ね、共同によるまちづくりの緒となる計画の策定
行政、住民、各種団体、地元企業などの地域における諸活動は、充分に連携のある活動といい難い。
多くの自治体における住民の行政に対する評価は、一般的に厳しいものであるが、今回の住民アンケートによると、行政に対する住民評価は、実施すべき施策を的確に指摘している。
本調査研究では、「まちづくり」の主たる担い手・執行部である行政及び議会の連携はもとより、地域で活動する住民、団体、企業が協調・協力して「まちづくり」を進める緒となる計画づくりが求められる。
そのためには、様々な主体に対して明確で納得のいく将来ビジョン、グランドデザインを提示するとともに、各主体の役割を明らかにする必要がある。