近年、少子・高齢化、情報化、国際化の進展や経済構造の変動により地方公共団体を取り巻く環境は急速に変化している。また、一方では平成8年12月に地方分権推進委員会の第一次勧告が出されるなど地方分権への動きが着実に進んでいる。これらの諸情勢の中で地方公共団体が取り組むべき課題は今後ますます増大し、かつ複雑化することが予想される。
このため、当機構では、これら様々な課題の解決に資するため、一つは全地方公共団体に係る全般的な立場から、一つは個々の地方公共団体に係る地域の実情に即した立場から多角的に課題を取り上げ調査研究を行っている。本年度は12の具体的なテーマを設定し調査研究を実施した。本報告書は、このうちの1つの結果をとりまとめたものである。
本調査研究は、瀬戸内海の離島・大崎上島に位置する広島県東野町を調査対象地とし、人口減少、産業の衰退、少子・高齢化などが進む内海離島の境状に対処し、如何に魅力的な定住条件を確保するか、その解決方策について提言を行ったものである。
本調査研究の企画及び実施にあたっては、委員長をはじめ委員各位に多大なご尽力をいただくとともに、自治省はじめ関係省庁、関係地方公共団体及び各種研究機関などから多くのご指導とご協力をいただいており、誠に感謝に堪えないところである。
また、本調査研究は、財団法人日本船舶振興会の補助金を受けて行ったものであり、ここに謝意を表する次第である。本報告書がひろく地方公共団体の各種課題の解決と施策展開の一助となれば幸甚である。
平成9年3月
財団法人 地方自治研究機構
理事長 石原 信雄