(3)計画のあり方
1)基本施策と計画性の確立…宇都宮都市観光振興マスタープランの作成へ
21世紀においては観光産業が基幹産業の一つになると思われる。多くの人が集まる都市の魅力づくりは単に観光振興のみならず、新たな時代の雇用を生む産業振興策でもある。市民にとって活気があり、生活しやすい環境づくりが観光客にとっても魅力のあるまちとなり、新たな産業の基盤をつくることになる。都市の魅力は、自然発生的な生活者の知恵の表現部分と、そこで働き生活する人々のための長期を見据えた“計画性”の有無が強く影響している。優れた都市観光地として整備していくためには、都市計画などとの総合的な取り組みが必要になる、またそれは次のような時代の要請からの対応ともいえる。
○都市間の交流と競争の時代
社会状況の変化により、人々は広域にわたって多様な消費行動をみせる。こうした動向は都市間、地域間の交流と激しい競争を産み出す。成果を出すためには時代の二ーズに適う弾力的な対応を含んだ観光基盤を都市計画と一体化した計画性を持って効果的に組立てることが求められる。
○連携の時代
人々の観光行動は行政域に囚われない。また活動圏の拡大によって広域に移動する。人々の行動を誘発させるためには、観光対象地の個性を活かしながら相乗効果を高めるため相互に連携し、人々の動きが発生するテーマ性を弾力的に企画し、計画的に組立てる必要がある。
○活動圏の地球規模的拡大への対応
活動域や情報交換は地球規模的になり、国際的視点に立った計画性が求められる。宇都宮は東京から100kmに位置し、国際的観光地日光などに近く、多くの外国人が訪れる機会を潜在的にもっている。国際相互理解など平和的に世界に貢献することができる。