日本財団 図書館


(3)北関東3県の主要プロジェクトの課題と方向性

 各府県の主要プロジェクトとしては、北関東自動車道の開通に合わせた企業誘致、ハイテクなどの技術開発の促進や、「ドリームハイウェイ」による物流の基地や拠点整備を図るためのプロジェクトが目白押しとなっている。
 しかし、各府県の内容を見てみると物流拠点整備では、群馬県太田市のロジス・ティックタウン、前橋市の総合物流基地、栃木県の都賀・栃木地区のニューインターチェンジタウン、常陸那珂の国際流通拠点都市と各県とも同じような構想を有しており、連携協力を図る必要がある。
 また、流通性の向上や可能性の増大から企業立地、ハイテク産業の立地可能性の高まりを見込んだ太田リサーチパーク、宇都宮テクノポリスのソフトリサーチセンター、常陸那珂の高度技術産業集積都市などが同じように展開している。
 以上の観点からすると、府県レベルの広域的な地域振興は、次のような視点に留意していく必要があろう。
 ○物流拠点、産業振興・企業立地にしても特色を持たせた集積と連携による連担型地域振興が考えられないか、まず、何が連携できるかを考える。
 ○生活者とか、環境との共生とか、地域に眠る資源を有効活用するところから地域振興の発想が生まれないだろうか。
 ○高齢化社会になり人口構造が変化すると、今まで必要な施設が不要になる。
  そこで、既存の施設や空間を利用し、改造することで新たな可能性が生まれないかを検討する必要がある。

 

 こうした視点から、地域振興を考えると既存の産業振興型、会社依存型の社会文化から、地域の様々な資源を活用した社会文化へと変革していかなければならないと考えられる。しかし、革命的に社会を変革することは無理があるので、以上のような視点を加味しながら、各地域が協力連携して地域振興に役立てていく手去の整備が望まれる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION