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第4章 担い手などの分析

1 玄海諸島における労働力などの現状

 産業振興の視点からみたときの、現在の玄海諸島の労働力、資本、技術、情報開発力などについては、次のように評価される。

(1)労働力

 過疎化、高齢化が進んでいる玄海諸島においては、必ずしも十分な担い手がいるとはいえない。しかしながら一方、多くの働き盛りの青壮年が住んでいるのも事実であり、これらの人々が島外に就労の場を求めて流出しているところに問題がある。
 また、漁業が就業の基盤になっているが、例えば冬季などの漁ができない場合には余剰労働力も発生し、出稼ぎをせざるをえない面もでている。
 このようななかで、各種活動の主体になっているのは、漁協の青年部や婦人部で、それに「イルカの会」や「椿の会」といった住民主体の活動組織もみられる、
 また、UIターンや若妻層において、潜在的な活動二一ズも見受けられる。
 

(2)資本

 島自体には資本力はあまりなく、現状では漁協がその中心的役割を担っている。

(3)技術

 水産加工については漁協婦人部を中心に徐々に島内で行われ始めているが、まだ高度な技術開発までにはいたっていない。
 ただし、昔からの伝統的な「郷土料理」の技術や、今は活用されていないが「和船づくり」の技術など、再度見直すべき技術の素材は点在している。

(4)柵報開発力

 島からの情報発進力は極めて弱いのが現状である。
 

2 島別の担い手などの可能性

 島の活性化において、当然、島外との連携は必要なことであるが、まず基本となるべきものは、その地域の住民及び当該自治体である。すなわち、ここで扱う“担い手”とは、そのなかの“地域住民”に焦点をあて、その可能性を探るものである。
 その視点からみたとき、現地ヒアリング調査(島おこしグループやUIターン者など)

 

 

 

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