経営状態が「余りよくない」と回答した125社、「業績は良い」と回答した41社について分析する。この区分に属する業者の「船舶の採算性」をみると、多くの業者がほぼ採算がとれていると答えており、特に、「業績は良い」という業者の第1位貸渡先をみると、資本金1億円以上の海運会社(オペレーター)が多く、さらにそれらはセメント、鉄鋼、商社、製紙、金属等の大手業者の一次元請けオペレーターであり、これらに貸し渡している業者はある程度の用船料収受しているものと思われる。
事業所で抱える問題点としては、「用船料(委託収入)の低下」「船員の高齢化」「建造物価の高騰」などがあげられている。また、ヒヤリング調査によれば大手メーカーと直接契約している貸渡業者ではあるが、相手港で仕事が終了するとオペレーターからオフと言われたり、オペレーターが代理店も兼務しており綱取り・放し料や代理店社員の電車代、車代まで請求されて非常に高くついているとのことである。
内航海運の不況対策を実施しているのは「余りよくない」、「業績は良い」の合計でわずか10社である。内容は、「運航コストの削減」がトップになっている。最近のオペレーター二ーズは「海陸一貫輸送に対応したRORO船等の需要が増加」、「雑貨輸送等の専用船需要が多い」等を受け、対応策として「運航の効率化」「近代化船の導入」を検討している。