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は し が き
 本報告書は、当センターが『日本財団』の平成7年度から2カ年にわたる補助事業として実施した「九州・山口の港湾における物流機能の充実に関する調査研究」の平成8年度研究成果を最終報告としてとりまとめたものであります。
 わが国では経済・産業の国際化が進展し、製造業の国際分業の活発化や製品輸入の増加に伴って、ドア・ツー・ドアの輸送に優れたコンテナ輸送が外航定期航路の主役となっています。九州・山口地域においても、自動車産業をはじめとする企業立地の進展や急速な経済成長を遂げつつあるアジアヘ近接していることなどから、国際コンテナ貨物が急増しています。しかし、その約4割が神戸港など当地域以外の港湾で輸出入されており、当地域の港湾物流機能が利用者の二一ズに十分対応できていないことなどがその要因として考えられます。
 また、当地域とは至近にある釜山港をはじめ、アジア諸港湾ではコンテナ取扱量が急増しており、いわゆる国際ハブ港湾間の競合が激しくなっています。こうした中で、当地域の港湾が多様化する国際物流二ーズに応えていくためには、国内外の諸港湾との関係を見据えた上で・港湾施設などのハード面及び荷役、保管、流通加工、情報等のソフト面における港湾物流機能の充実を図っていく必要があります。
 こうしたことから、昨年度は、まず当地域のコンテナ貨物輸送において中核的な役割を果たしている関門港をモデル港湾として選定した上で、港湾の利用者となる荷主企業及び船社の意向を把握し、関門港に求められる港湾物流機能の要件を抽出しました。
 これを踏まえ、本年度は、まず国内外の先進港湾における港湾物流機能充実の方策を調査し、また、関門港の港湾物流機能充実に対する荷主企業の意向を把握しました。これらの結果に基づき、関門港における港湾物流機能充実を目標と、その実現に向けた具体的な方策を検討し、さらに、これを敷術させて当地域の港湾における港湾物流機能充実のための提言としてとりまとめました。
 この報告書が関係者の方々にいささかなりともご参考になれば幸いに存じます。おわりになりましたが、本調査研究を取りまとめるにあたって終始ご指導・ご協力を頂きました山口大学谷光太郎教授はじめ委員各位、関係官公庁並びに調査にご協力頂きました関係の方々に、改めて御礼申し上げます。

平成9年3月

財団法人 九州海運振興センター

会長 邑本義一

 

 

 

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