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第4章 交通関連プロジェクト

カンボジアの道路交通現況はすでに述べたように様々な問題を抱えている。長い戦争の問に道路と橋梁の大部分が損傷や管理の不足から、これらのインフラは十分な補修を受けておらず、その機能を十分発揮していない状況に置かれている。

このため、現在、主要幹線道路の一部が、国際機関及び各国の援助で復旧が行われている。国際機関の援助は世銀、アジア開発銀行が中心になって行われている。国際機関等の経済援助動向についての経緯については、国建協が平成8年に行った事前調査「プノンペン外部環状道路整備計画調査」に詳しい。

これらの機関の援助はカンボジアの全国を結ぶ主要国道の復旧が中心であり、これは現在でも進められている。これらの復旧には世銀、アジ銀を始め、周辺国のベトナム、タイ等も参加している。我が国も94年に無償援助でChruoy Chagevar橋(通称日本橋、6A号線の起点でTonle Sap川を渡る)を完成させている。

4−1 プノンペン市の交通インフラ整備動向

プノンペン市の都市開発はUNDPによって70年代に都市開発調査が進められたが、75年の内戦下で全てが失われた経緯がある。80年代になり、市独自で調査を再開したが、人材及び予算の不足から断念した経緯がある。しかし、現在プノンペン市 Dept.of Urbanization が土地利用計画のゾーニングを1/10,000で作成中である。

プノンペン市の交通インフラ整備に関しては、Bureau of Urban Affairs(BAU)が深く関与している。この組織は1995年バンモリパン上級相によりmP内に設置された組織であり、市の管轄である。技術的にはバンモリパン大臣が長となっている National Comittee Regional Planning and Construction,Town Planningの組織下にある。よって大臣が各種調査に対する承認を与える。このBAUの組織及び活動内容は以下の通りである。

  1. 現在3人のFull time Expert(フランス人)とTraining Session 時には6人増員され、その下に25人のカンボジア人技術者がいる。同組織はECの管轄でECよりExpertが派遣されている。なお、97年末をもって専門家の派遣は中止される予定である。

 

 

 

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