3−4公共輸送機関
プノンペン市の公共輸送機関としてはバス、モーターバイク・タクシー(モトドップと呼ばれる)、鉄道、内陸水運などがある。しかし、都市における公共交通機関としてはバス、モーターバイク・タクシー、人力車(シクロ)などである。
鉄道はプノンペンからバッタンバン方面へ向かう約390キロの路線(1日片道1本)とプノンペンからシハヌークビルヘ行く約250キロの路線(1日片道1本)の2路線があるが、運行本数が極端に少なく、かつ都市間輸送であるため、都市交通としての機能を有していない。
また、内陸水運もプノンペン港からコンポンチャム港間(約105キロ)やクラチエ港間(約213キロ)などメコン川を利用したフェリー輸送が行われているが、鉄道と同様に、都市間輸送であるため、都市交通としての機能は持っていない。
(1)バス
現在、プノンペン市内のバス路線は図3−5に示すように、市内環状線2ルート、放射線5ルート(路線延長は10km弱〜十数km)あり、マレイシアの企業Ho Wan Genting & Transport Co;Ltd.という会社が1996年12月1日から営業を始めたものである。
かつては、市が直轄で運営していたが、車輌の老朽化や運営費の不足により運営廃止に追い込まれたものである。その後、上記民間会社による運営が行われたものである。
当初15台で運行を開始したが、97年3月に15台を増車させ、さらに6月には70台を導入し、合計100台とする計画を持っている。料金は均一運賃制で1,500 riels/人となっている。運行頻度は路線によって変わるが、15分〜60分間隔となっている。
市役所は利用者の利便性を考慮して、バス待の表示看板を市内各地に設けたが、実際は利用されておらず、客が手を上げればどこでも停車して乗せているようである。
なお、プノンペンとシアヌークビル、カンポート、コンポンチュナン、コンポンチャムなどの他の都市を結ぶ都市間バスは別会社が運営している。
(2)モーターバイク・タクシー(モトドップ)カンボジア国ではまだタクシーに関する法制度が整備されておらず、基本的こはモーターバイクや車の所有者は誰でも自由に「白タク」営業が可能となっている。
特に、プノンペン市内はモーターバイクが圧倒的に多く、利用者を