2−1 カンボジア国の一般概要
(1)地理
カンボジア国は北緯10〜15度、東経102〜108度にあって、南シナ海に突き出たインドシナ半島の中央から南西部に位置している。図1−1に示したように北西部はタイ、北東部はラオス、東と南東部はヴェトナムとそれぞれ国境を接している。面積はおよそ日本の半分で181,035平方舳で、国土は中央平原、丘陵、台地、周辺山岳部に大別され、メコン川、ドレンサップ川の2つの河川流域に広大な平野部が中心となり、西方には大きなドレンサップ湖がある。
(2)気候
カンボジアの気候は熱帯モンスーン型で、高温多湿である。毎年4月末から10月末にかけて南西のモンスーンが吹き、11月から3月までは反対側の北東からモンスーンが吹き込む、年降雨量は南西部の山岳部からシアヌークビル周辺が最も多く4000mもある。次いでヴェトナム国境付近の山岳部で2000〜3000mとなり、大湖周辺と中央平原でば1500mと少ない。プノンペン市の年平均気温は摂氏27.7度で気温の範囲は21度から35度である。湿度は70%から85%くらいの範囲で全般的に高湿である。降雨量は年間1400mであるが、乾期と雨期の降水量の差は非常に大きく、乾期ではほとんど雨が降らない。表2−1にプノンペン市における気温、湿度、降水量などの気象を示す。