
5−2. 海洋性レクリエーション拠点施設の整備状況
5−2−1. マリーナ整備の現状
平成7年8月〜9月の2ヶ月間で実施された関東圏29ヵ所のマリーナ(千葉県7ヵ所、東京都5ヵ所、神奈川県17ヵ所)の現地調査から高齢者、障害者の利用を想定していると考えられるマリーナは、千葉県稲毛ヨットハーバー、東京都立夢の島マリーナ、神奈川県八景島マリーナの3ヵ所であることが明らかになった。その他、26ヵ所のマリーナにおいては、高齢者、障害者の利用を想定し施設が整備されていない。部分的にバリアフリーの設計基準値を満たしている箇所はあるが、これは意図的に整備したものとは考えられない。特に、一般の人々が利用する際にも不都合や危険を感じる箇所があるなど、よりよい施設整備の必要性が感じられる。
高齢者・障害者に対する配慮を行う上で重要なことは、全ての施設に対してバランスよく整備することであり、そうすることで初めて高齢者・障害者が快適に施設を利用することができると言える。しかし、マリーナ内の全ての施設に対して配慮を行うことはきわめて難しいことから、介助者のサービスを行っていくことも配慮されることが望ましい。
5−2−2. 海水浴場整備の現状
平成7年8月〜9月の2ヶ月間で実施された関東圏51ヵ所の海水浴場(千葉県27ヵ所、神奈川県24ヵ所)の現地調査の結果から高齢者、障害者の利用を想定していると考えられる海水浴場は、神奈川県藤沢市片瀬西浜、神奈川県藤沢市片瀬東浜、神奈川県湘南平塚ビーチパーク、神奈川県横須賀市観音崎海水浴場の4ヵ所であることが明らかになった。その他、47ヵ所の海水浴場では、部分的にトイレ等の利便施設が整備されているが、トータル的な整備が行われていないことから利用不可能なものが多く見受けられた。
海水浴場は比較的規模が大きく移動範囲が広範囲にわたるため、障害者専用駐車場から砂浜へのアクセスをはじめ、高齢者、障害者にとって最低限必要なトイレ、公衆電話、水飲み場等の利便施設の施設計画や配置計画を高齢者、障害者のスタミナ・生理的欲求等を考慮し整備すべきである。
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