第2節 地域における情報活用の基盤の整備
ネットワーク社会の進展とともに、今後ますますインターネットやパソコン通信等の通信ネットワークが中心的なメディアとなると考えられるが、このためには住民が通信ネットワークを容易に活用することができるように、地域において情報通信基盤の整備が必要になる。
こうした中で、地方公共団体としては、地域における情報通信基盤の整備が進展するように、インターネットを始めとした通信ネットワークの活用を先導的に推進するとともに、公共事業の中での大容量回線の利用や地方公共団体の内部業務での利用等をとおして、地域社会におけるネットワーク活用の喚起等を促すことが重要になる。
ここでは、こうした喚起等を促すことにつながると考えられる事項についてまとめた。
(1)情報通信基盤の整備
平成7年に高度情報通信社会推進本部が決定した「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」では、情報通信基盤について、21世紀に向けた高度情報通信社会の構築に向けた動きを加速・推進するためには、情報・知識の創造・流通・共有化を支える高度な情報通信インフラを早急に整備しなければならないとした上で、これは多大な投資を伴うものであり、情報通信関連産業の市場規模を拡大し、リーディング産業としての役割を強めるだけではなく、人間の知的生産活動の活性化を通じ、多くの新規事業を全国各地に創出しうるものである、としている。
将来の地域社会においては、通信ネットワーク上で展開される様々なアプリケーションやサービスが企業活動や住民の生活の中に普及するようになり、通信ネットワークは様々なサービスのバックボーンとして位置づけられるようになるであろう。
通信回線整備主体は主としてNTTが担うこととなる。NTTでは、全国的な基幹回線の大容量化(光ファイバ化)に続き、現状の電話回線の大容量化を進めており、その最終目標は「西暦2010年の時点でのすべての電話回線の光ファイバ化完了」である。整備については、ビジネスエリア等の地域経済活動の中心地域である、政令指定都市や県庁所在地級都市及び人口10万人以上の都市等から先行的に進められている。
地方公共団体においては、自らの地域におけるこうした情報通信基盤の整備状況や整備計画等を考慮して、地域の特性に応じた先導的な情報通信システムの開発・普及に係る取り組みを行うとともに、知的活動の基盤となるコンテンツの質的・量的充実を図ることが期待されている。
また、民間事業者による整備が都市部に比べ遅れがちな非採算地域において、情報通信分野における地域格差を是正するために、民間事業者の整備を補完する観点から、必要な施策を検討する必要がある。
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