1−2今後期待される情報の活用方法 これまで概観してきたように、住民の価値観やライフスタイルの多様化に伴い、住民の地方公共団体への要求は多様化してきている。そして、このような住民の要求に積極的に対応する先駆的な団体も現れ始めている。 住民から提示される要求にすべて対応することは、地方公共団体のマンパワーや予算面等を考慮すると困難であろう。しかし、このような要求に対して情報通信技術の成果を積極的に活用することで対応可能な部分は拡大すると考えられる。 この際に、インターネットを活用することにより、住民が欲する多様な情報の発信や住民との密なコミュニケーションを図ることが容易になる。 しかしながら、現時点でのインターネットの利用者数は、テレビ・電話等の既存メディアと比較すると、まだ少ない。また、印刷物と比較すると、情報の一覧性や取り扱いの容易性ではインターネットは劣っている。従って、住民の中で高まっている多様化した情報享受のニーズとコミュニケーションに対するニーズに積極的に対応していくためには、インターネットを積極的に活用しながらも、安易に多くを依存することなく、様々なメディアを併用して、その時々に応じて個々の長所を活かした取り組みが重要になる。 また今後は、地方公共団体と住民との間で、インターネットを始めとした様々な方法・手段を用いて各種の情報の交換が積極的に行われることにより、住民は日常生活や企業活動において様々な利便性が向上する。また、地方公共団体においては、住民や他の行政機関から、時には世界規模で必要な情報を収集し、様々な場面での状況判断や検討に有効に活用できるとともに、行政内部の情報と併せて有効な活用を図ることにより、業務の効率化や生産性の向上等を図ることができるようになる。そして、新たに作り出した情報を、必要な都度、タイムリーに住民に対して発信することができるようになる。これにより、地方公共団体と住民の円滑な関係の形成につながる。こうした情報の活用を実現する上で、地方公共団体と住民との間の情報交換に有効な方法・手段は、現状における第1候補がインターネットであると言えよう。 このために、地方公共団体においては、急速に進歩している情報通信技術の成果を可能な限り積極的に導入し、行政内部の情報化を推進し、情報の有効活用が可能な環境を整備することが必要になる。一方、地域社会においては、地域の情報化の観点から情報通信基盤が整備されることが重要になる。
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