日本財団 図書館


 要は、コミュニケーションを円滑に行うことができれば、より多くの知識や情報を短時間で収集することができる。従って、ここで得られた知識や情報、あるいは節約された時間は、より生産的な活動を行うために費やせるのである。

1−2 情報の共有化

 組織に属する者が職務上保有する情報は、基本的に組織としての共有情報であるといえる。だが、その情報が存在する場所によっては、共有度にかなりの差が生じる。極論を述べると、人間の脳の中(記憶)まで共有することは不可能であるため、その点から考えると、従来から我々は、文書において情報の共有化を図ってきたともいえる。
 しかし、今日まで行われてきた文書による情報の共有化とは、真の意味において共有化されていなかったとも考えられる。その理由として、職務上必要とする文書を必要なときに取り出せる仕組み、あるいは利用できる仕組みが未熟であったためである。

(1)既存の情報の共有化の問題点

 文書共有化の問題点としては、まず保管場所の問題が挙げられる。例えば、個人が保有する引出しなどに保管されている文書の場合は、事実上探し出すのはかなり困難である。さらに、それらの文書が個人毎に保有されていた場合には、同一の文書が複数存在することになるので、保存媒体及び保存場所に無駄が生じる。また、共用の棚などに保管されていても、よほどしっかりとした管理がされていなければ、即座に探し出すのは困難である。
 次に、記録媒体の問題であるが、紙による文書の場合は、再利用という観点から見るとほぼ絶望的であり、また保存スペースもかなり必要とする。

(2)グループウェアに置き換えた場合の効果

 前述の問題点から理想的な情報共有の在り方を整理すると、電子化された情報が、共用の場所に、管理された形で格納されていることである。グループウェアは、これらの条件を満たす、理想的な情報の共有化を実現する仕組みを持っている。
 共有すべき文書は、主として共有文書型データベースとして記録され、即座に検索及び参照することができる。従って、個人毎に文書を保有する必要がなく、しかも電子化されていることから、同様の案件が未来的に発生した場合でも即座に再利用が可能となるのである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION